(1998/07/17) ご注意! これは1994年に書いたものです。これを加筆修正して「不登校を解く」(ミネルヴァ書房)に載せています。 門 眞一郎* * 京都市児童福祉センター 登校拒否の予後に関する正しい情報を得るために,本稿では,登校拒否の追跡調査報告24篇を再検討し,各報告の中に潜む問題点を7つ指摘した。それは,第1に対象ケースの違い(概念や状態像の違い,精神疾患ケースや脱落ケースのの扱いの違い),第2に治療機関や相談機関の違い,第3に受診/相談の時期の違い,第4に治療形態や治療内容の違いと,転帰評価のための比較データの欠如,第5に転帰評価の基準の違い,第6に追跡期間の違い,第7に調査方法の違いである。したがって,これまでの調査結果を単純に合算して登校拒否の転帰を論じることはできないということになる。 しかし,調査結果を再検討してみると,一般的傾向としては,追跡期間が長くなるほど