前エントリの続き。 スティーブン・ピンカー先生の『暴力の人類史』は非常におもしろいので、あらゆる人が読むに値すると思います。暴力の歴史と心理学が延々書いてあってとても楽しい(暴力が楽しいのではなく、各分野の最新の知見が得られる)。最初の方の拷問の話は読むと冷や汗をかくので苦手な人は飛ばしてもいいと思う。そこ飛ばせばあとはそんなひどいのはない。 当然殺人だけじゃなく人種差別、児童虐待、ゲイバッシング、動物虐待とかって話にまじって、女性に対する暴力である性暴力の問題も扱われてます。 『人間の本性を考える』とかではフェミニズム(特にブラウンミラー先生のタイプのやつ)に対してなんか批判的・揶揄的な態度をとってるところもあったんですが、この本ではかなり高く評価してますね。フェミニストたちの運動のおかげで、20世紀後半に性暴力に対して社会は厳しい態度で臨むようになり、数も減ってる、ってのが基本的な立場