慰安婦問題について記者会見を行う韓国の康京和(カン・ギョンファ)外相(2018年) JUNG Yeon-Je-Pool- REUTERS <90年代に入り、慰安婦問題が日本と韓国、世界で大きな意味を持つようになった背景には何があるのか。キャロル・グラック教授が米コロンビア大学の学生たちとの対話を通してあぶり出す> 日本近現代史を専門とする米コロンビア大学のキャロル・グラック教授(歴史学)。新著『戦争の記憶 コロンビア大学特別講義―学生との対話―』(講談社現代新書)には、グラック教授がコロンビア大学で多様な学生たちと「戦争の記憶」について対話をした全4回の講義と、書きおろしコラムが収録されている。 本書の元となったのはニューズウィーク日本版の企画で、学生たちとの対話は2017年11月から2018年2月にかけ、ニューヨークの同大学にて行われた。本誌では「戦争の物語」「戦争の記憶」「『慰安婦』の