日本学術会議の姿勢が注目されている。多額の血税が投入されながら、特定の政治勢力の影響力が強く、自国の防衛研究に過度なブレーキをかけてきたが、国会で、民生と軍事の「デュアルユース」(軍民両用)の先端技術について、「研究を否定しない」とする姿勢を明らかにしたのだ。菅義偉前政権では、日本学術会議の民営化が浮上していた。ロシアによるウクライナ侵攻や、中国による軍事的覇権拡大、北朝鮮の核・ミサイル開発など、日本を取り巻く安全保障環境の激変を受けて、現実的な方針転換をしたのか、生き残りのための目くらましなのか。 ◇ 「(日本学術会議が2017年に公表した『科学者は軍事研究を行わない』という)『声明』は、デュアルユースのような安全保障に資する研究を、一律に禁止する趣旨のものではございません」 日本学術会議の事務方トップ、三上明輝事務局長は4月26日、参院内閣委員会で、自民党の有村治子参院議員から防衛研究