思い出の全日本選手権 私が最も心痛めた事があった。長野五輪代表を決める1997~98年シーズンの全日本選手権(神戸)。男子2選手、女子はたった1選手を選ぶ試合。女子は村主章枝、荒川静香との一騎打ち。本来ならば、ここに世界ジュニア金メダリストの小岩井久美子、GPファイナル初出場の横谷花絵など、伊藤みどりに次ぐ選手たちが活躍するはずだった。その時は、今みたいに強いと言われる時代の前で、永久に続くかと思われた当時の米国、ロシアなどの2倍3倍も、強い選手を育てると言う思いの中で、もがいていた時期だった。採点システムは満点が6・0点の時だった。 女子SPを迎え、村主は思いのほかスピード、流れ、彼女に合ったローリー・ニコルの振り付けと演技構成で、音楽との調和など演技力が付いて来たなぁーという感じと、3回転ー2回転のコンビネーション・ジャンプもきっちりと決まりジャンプ・スピーンは高く跳びあがっていたし、