日本映画・洋画を問わず、ネタバレ・あらすじを交えて感想(レビュー、 批評、 解説…?)を語りながら、映画の魅力を再発見していきましょう。ラストを明かすことも。 こんな映画をよく作れたな。 『アレクサンドリア』鑑賞後の嘘偽らざる感想である。 映画は、4世紀末、ローマ帝国支配下にあるエジプトの大都市アレクサンドリアが舞台となる。 この都市の名は誰もが耳にしたことがあるだろう。世界の七大景観に数えられた大灯台で知られるアレクサンドリアは、地中海貿易の中心地であることを活かして各国の書物を収集し、その図書館には70万巻の蔵書があったという。 70万巻とは畏れ入る。これは、現代の中堅都市の市立図書館や大学図書館並みの量である。そのすべてが学術書であろうこと、そもそも古代において書物の数が少なかったであろうことを考えれば、驚くべき知の集積である。 帝国の英知を保管する施設といえば、SFファンならアイザ