「悩みなんて無さそうだよね」という言葉をふと耳にして、あ、私もそんなことを言われていた頃があったな、と思った。 小学生の頃、私は尋常じゃなく無神経だった。「それダサいね!」「キモいね!」「私いらない!」思ったことをいちいちズケズケと言う女だった。 それが中学に入って内省的になり、それまでの無神経発言を思い出しては思い悩み、私は口を開けば人を傷つけるからと言葉少なくなり、寡黙な人になった。 気付けば寡黙で暗い人のキャラクターは私にすっかり定着していて、もう元の無神経な人間には戻れない。 思いついたことをフィルター無しに即口にする子供のようにはなれない。 でも暗い今より、「悩みが無さそう」と言われていたバカ明るかった頃の方が、友達がいっぱいいたし、周りに常に人がいた。 確実に、人を傷つけていたはずなのに…