TBS系で放映中のドラマ「南極大陸」の第3回(10月30日放送)には、南極観測船「宗谷」で南極に渡った第1次南極観測隊が調査・研究の拠点として「昭和基地」を建設するシーンが出てきた。昭和基地は8人の隊員が約10時間かけて組み立てることが可能な、日本初のプレハブ建築として竹中工務店が製作したものだ。 ドラマのなかで香川照之演じる越冬隊長(モデルは西堀栄三郎だと思われる)が「竹中工務店さまさまですなあ」と言っていたのはそのためである。ただしその設計には竹中工務店とともに日本建築学会がかかわっている。その中心となったのは浅田孝という建築家にして都市計画家だ。 浅田孝という人は、戦後日本の建築界における“裏番長”みたいな人で、“表番長”たる丹下健三の片腕として広島の平和記念公園や東京の旧都庁舎といったビッグプロジェクトを推し進め、各方面の調整にあたった。その後も昭和基地をはじめ、横浜のこどもの国や