梶井基次郎の自筆原稿「瀬山の話」。長編小説の挿話として、23ページ目から「檸檬」が始まる=実践女子大提供 近代日本文学を代表する短編小説「檸檬(れもん)」の原型となった挿話を含んだ、梶井基次郎(1901~32)の小説「瀬山の話」の自筆原稿74枚が見つかった。 専門家らも長年見ることがなかった幻の原稿で、実践女子大学が東京・神田の古書店から購入、今年中にも公開を予定している。 「瀬山の話」は、梶井が東京帝大文学部英文学科に入学した1924年(大正13年)、仲間と創刊した同人雑誌「青空」第1号に掲載するために書いたが、作品はまとまらず、この物語の一部の「檸檬」を短編小説に書き直して載せた。 梶井が31歳で没した翌年、友人の文芸評論家・淀野隆三氏が「瀬山の話」を校訂し、遺稿として雑誌「文芸」(改造社)に掲載。自筆稿は、67年に亡くなった淀野氏が当初は保管していたとみられるが、その後所在がわからな