犬映画! 母の旅行中、離婚した父に預けられた13歳の少女、リリ。だが、愛犬のハーゲンを連れて行ったのに、父親は理解がなく横暴で、鉄橋の下にハーゲンを捨ててしまう。飼い主と離れ離れになったハーゲンは、親切な犬に助けられて街を彷徨うのだが……。 クライマックスにもなる犬大爆走のシーンをまず冒頭に持ってきて、いきなりその躍動感に唸らされる。いやあ、やっぱり本物はいいよお。話はさかのぼり、少女が愛犬ハーゲンくんと引き離される顛末から……。 雑種犬に重税が課される、というのは頭数管理の発想から生まれた架空の設定なのだろうが、これがかえって捨てられる犬を増加させ、施設への収容、殺処分をも増やす。単純に犬、動物愛護の話とも受け取れるけど、もう少し踏み込んで人間の中の優生思想、マイノリティ蔑視、移民排斥など、古今東西の問題とも重ね合わせられる。 ハーゲンくん役は犬が二頭でこなしているそうで、割と序盤から区