この菓子は安永7年(1778)、長岡藩9代藩主牧野忠精が病で伏されていた時、城下の大和屋が献上したところ、食欲が進み病が完治したという。 忠精は大層喜ばれ、「天下に比類なき銘菓である。吾ひとりの賞味では勿体無い。これを藩の名産とすべし」と、「越乃雪」の名を贈った。 越後の美味しい餅米と、四国阿波の国特産の和三盆糖を原料とした高貴な味わいは、やがて日本三大銘菓といわれるようになった。 日本人は「日本三大・・・」や「日本三・・・」が好きである。 日本三景といえば、松島、天橋立、宮島であり、日本三大花火は、大曲(秋田)、土浦(茨城)そして長岡の花火をいう。日本三名園なら、偕楽園(水戸)、兼六園(金沢)と後楽園(岡山)、日本三大銘柄米は、新潟コシヒカリ、宮城ササニシキと秋田こまちである。 そんな中、全国に山ほどある菓子で三大銘菓の称号をもらっているのが、長岡大和屋の「越乃雪」、松江風流堂の「山川」