こういうのを、看板書きの上林さんと板倉さんは「インベーダー」って言ってました。 旧国鉄時代の車輛とか、丸ゴシック満載でたまんないです。寝台車に乗っても、あちこち見てばかりで寝られない。もちろん、静かに動き回り、シャッター音のしない設定で撮ります。フラッシュなんてもってのほか。
5月12日に、大阪で対談とワークショップをしてきました。テーマは、「日本ではなぜこんなに丸ゴシック体が多いのか?」です。まだいろいろ調査中ですが、当日、私がどんな写真を見せていたのか、どんなことをしゃべっていたのか、 こちら や こちら からチラっと見ることができます。 私は前座みたいなもんで、主役は、じつはプロの看板屋さんお二人、上林さんと板倉さんでした。去年の10月に取材に行ってからぜったいお願いしようと構想を温めていて、今回やっと大勢の前でお二人との対談と、お二人による看板書き実演ができたんです。 そのとき、看板屋さんが、昔の看板屋さんの字によく見られる古い感じのする字の形を「オジ書き」と言っていました。おじいさんの書き方、というような意味らしいですが、大阪は「オジ書き」の宝庫でした。 新大阪駅南口の「屋外消火栓」の「消」のつくりの部分、頭の毛3本が集中するところがイイ感じです。
日本から来た親戚といっしょに観光でドイツの町を歩いていても、やっぱり文字に目が行きます。 小文字の s が縦長になっている、いわゆる「長い s 」なので、ドイツ文字に不慣れな人にとってはエルだかなんだかわからない。これは昔からのドイツ文字の独特の字形です。 これなんか、「Alte Bauernschänke」って書いてある。A と B が赤で書いてあったのが褪色したみたいで、そのせいで読みにくいってのもあるんですが、小文字の s が縦棒一本です。「長い s 」でこういう形は珍しい。 アスマンズハウゼンで。ドイツ文字の小文字の s は必ず「長い s 」になるわけではなく、この一行目の「Aßmannshäuser」の h の左の s は「丸い s 」と呼ばれる、見慣れた形に近い s です。「長い s 」と「丸い s 」をどこで使うか決まりがある。 ドイツ語の「ß」の文字、一般的には「エスツェッ
いくつかまとめて、ちょっと長い話を書きます。日本のデザイナーの皆さんに、ぜひ最初に知っておいてほしいんです。 日本でよく聞かれる噂話ですが、「Bodoni(ボドニ)はイタリア、Caslon(カスロン)はイギリス、Helvetica(ヘルベチカ)はスイスで生まれた書体だからその国で使うもの」なんてことは決してありません。その辺のことをドイツ人の友達と話したら、結局「タイポグラフィはそんなに簡単じゃない!(笑)」というところに落ち着きました。イタリアの人がつくった書体はイタリアのイメージのはずだ、と考えるのは単純すぎるんです。 私はワインに詳しくありませんが、詳しい人になると「イタリア料理にはイタリアのワインが合う」なんて大ざっぱなことは言わないでしょう? 料理が肉だろうが魚だろうが、イタリアのワインだったら赤でも白でも、辛口でもなんでもいいなんて。 だから、書体を選ぶ際に産地じゃなくてその書
読者の u-turn さんから、電話番号などで数字を区切る場合に使う横棒はハイフンなのか半角ダーシなのか、という質問をいただきました。『欧文書体 その背景と使い方』で書いたように、欧文での組版では一般的にハイフンと半角ダーシはこう使い分けられています。 ●ハイフン=単語を分割するとき、あるいは2つ以上の単語がまとまってひとつになるとき ●半角ダーシ=「月曜から金曜まで」を表すときの「から(〜)」という意味で使う、など 日本の電話番号の表記はどれが「正しい」のか私も分かりませんが、まず、イギリス、フランス、ドイツ各国の例を見てみましょう。個人の名刺ではなく、うちの中にある広告やパンフレット類から拾いましたが、とうぜん同じような傾向で名刺も組まれているはずです。 イギリス。上から地下鉄マップ、大学職員の求人案内、デザイン雑誌『Creative Review』の広告欄の連絡先。ハイフンもダーシも
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