○国立公文書館 平成30年度第2回企画展『平家物語-妖しくも美しき―』(2018年7月21日~9月1日) 国立公文書館の展示が好きでよく見に行くが、所蔵資料の特性から言って、やはり近世と近代が中心で、ほかの時代を扱うのは難しいだろうと思っていた。それが、今回のテーマは『平家物語』だという。平清盛(1118-1181)生誕900年を迎える記念の夏とは言え、なんという曲せ球を投げ込んでくるのか、と思った。しかも、教科書どおりの「諸行無常の武士たちのドラマ」だけでなく「その背後に暗躍する怨霊・天狗・魑魅魍魎!」にフォーカスしてくれているのが嬉しい。展示資料はほとんどが撮影可で、SNSなど積極的に拡散することが喜ばれている。 冒頭には『大臣影』(文久3年写)から平清盛の肖像。 『平家物語』のあらすじは、主に江戸時代の挿絵入り版本によって紹介されている。刊年不明、全12冊の「元老院旧蔵」本だそうだ(