1930年代後半の魔都・上海を舞台にしたリアリズム小説『名誉と恍惚』を上梓した松浦寿輝さん。750頁を超える大長編はどのように生まれたのか。創作の背景やエピソード、物語の魅力についてじっくりとお伺いしました。 松浦寿輝(マツウラ・ヒサキ) 作家・詩人・仏文学者・批評家。東京大学名誉教授。1954年東京都生れ。東京大学大学院仏語仏文学専攻修士課程修了。パリ第III大学にて博士号(文学)を、東京大学にて博士号(学術)を取得。詩集に『冬の本』(高見順賞)『吃水都市』(萩原朔太郎賞)『afterward』(鮎川信夫賞)、小説に『花腐し』(芥川龍之介賞)『半島』(読売文学賞)『そこでゆっくりと死んでいきたい気持をそそる場所』『川の光』、エセー・評論に『折口信夫論』(三島由紀夫賞)『エッフェル塔試論』(吉田秀和賞)『知の庭園 一九世紀パリの空間装置』(芸術選奨文部大臣賞)など多数。2012年東大大学院