福田和代さん眠らないという特殊な体質を持つ忍者の末裔が登場する「梟 (ふくろう)」シリーズ第2巻「梟の胎動」を、2023年10月に上梓した。忍者の末裔たちがスポーツ界の遺伝子ドーピングをめぐる深層に迫る。過去の歴史をたどりつつ、一族の危機を切り抜けようと闘う若い主人公らを躍動感あふれる筆致で描き、ストーリーはクライマックスに達したところで続編へとつながる。まさにストーリーテラーの面目躍如である。 その芽は中学時代にさかのぼる。「中学生のころ、ノートに書いた物語を友だちに読ませて、次はどうなるのかというところで止めるんです。そうすると、友だちが早く続きを読ませてと言うんですよ。それが楽しくて、『一人連載作家状態』でした」 子どものころから本好きで、近年米国でドラマにもなったアイザック・アシモフの「ファウンデーション」シリーズをはじめ、ラリー・ニーヴンやエリザベス・A・リンらのSF小説を読み漁