「三行半(みくだりはん)」といえば江戸時代、夫から妻に渡す離縁状。夫が意のままに妻と離婚できたのに対し、妻は突きつけられた離縁状を手に泣く泣く実家に戻る…。女性の地位の低さを象徴するイメージが強いが、違う実態もあるようだ。 夫婦が話し合いを重ねた「熟談離婚」や、夫に忍従しない妻が婚家を飛び出すケースもあった(高木侃(ただし)著「三くだり半と縁切寺」)。わずか三行半の文面には「向後(こうご)いずかたへ縁づき候ともさし構えこれなく候」の一文も。 別れた以上、元の女房が誰と再婚しようが、どう生きようが構わないとする。女性は三行半をもらうことで、晴れて自由の身になれた。離婚して新たな世界に飛び立つための、それは「パスポート」だったのかもしれない。 江戸庶民の生々しい暮らしぶりが分かるのは、三行半が後世にきちんと伝えられてきたからこそ。コロナ禍を巡る政府専門家会議の議事録も同じく貴重な歴史的文書とな
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