(2011年3月29日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 日本の地震と原発災害が起きてからほんの2週間で、政治的な影響が地球を半周し、自動車とケーキ、鳩時計で知られるドイツの州に達した。 ドイツのアンゲラ・メルケル首相が率いるキリスト教民主同盟(CDU)はバーデン・ビュルテンベルク州で、原発に対する一般市民の不安と嫌悪感で持ちきりとなった州議会選挙の後、権力の座から追われた。 58年間続いたCDU支配の幕切れ 独バーデン・ビュルテンベルク州の州都シュツットガルトで、地方選後にアンゲラ・メルケル首相とステファン・マップス州首相を風刺するポスターを掲げる緑の党の支持者ら〔AFPBB News〕 活況を呈する経済と見事なほど低い失業率でさえ、同州で58年間途絶えることのなかったCDU支配の幕切れを止めることはできなかった。 最大の勝者は反原発派の緑の党で、同党は1980年の結党以来初めて、州首相