(2011年3月1日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 原油価格が現在の水準で高止まりすれば、世界経済は再び厳しい局面を迎えるが、最近の原油高が一時的なものであれば、見通しはずっとましになる――。エコノミストらはこう警告してきた。 原油価格は2月28日も上昇し続けており(ブレント原油はさらに0.5%上昇し、1バレル=112.66ドルとなった)、世界的な景気回復が損なわれる恐れがある。 世界経済にとって最悪のタイミング HSBCのチーフエコノミスト、スティーブン・キング氏は「今回の原油高は最悪の時に起きている」と言い、リスクはインフレではなく世界的な景気後退だと警鐘を鳴らす。 エコノミストらは、原油高がもたらす直接的な影響は、石油消費国から石油生産国への所得再配分だという点で意見が一致している。 家計と企業はそう簡単に短期間で石油消費量を大幅に減らせないため、価格が上昇するに従って多額のカネ