いよいよ菅政権が詰んできた。2011年度予算は衆院を通過したものの、予算関連法案の柱である特例公債法案は3分の2の再可決に必要な頼りの社民党からそっぽを向かれ、成立は絶望的だ。一時、自民党の予算組み替え案の「丸のみ」に言及した菅直人首相は、関連法案についても今後野党との修正協議が焦点となるが、追い込まれた状況は変わらない。 自民党は子ども手当の削減や高速道路無料化の執行停止、公務員人件費の削減などを主張しており、自民党の谷垣禎一総裁は「民主党がアイデンティティーを保っていれば、到底のめる案ではない」と言うほどだが、菅首相は、党首討論で1998年の金融国会を引き合いに出して野党に協力を求めた。 そこで98年の金融国会の経緯を振り返っておこう。菅首相が民主党代表として「金融危機を政局の材料にしない」と言ったことを受けて、金融再生法案について当時の政府・自民党が民主党案を丸のみした。これは「