理研の研究者を中心とした研究チームは、サンゴ由来の蛍光タンパク質を遺伝子改変する過程で、生きた細胞の中で巨大なタンパク質結晶(プロテインクリスタル)を形成する改変体を偶然発見し、Xpa(クリスパ)と名付けました。生きた細胞の中、とくに細胞質内においては、非常に多くの種類の分子が絶えず動き回っているため、結晶の形成は難しいとされていました。もっとも、Xpaタンパク質は蛍光を発することで発見されたと言えるでしょう。通常のタンパク質の結晶化も実は頻繁に起きている可能性があります。 研究チームは、Xpaタンパク質を材料に、タンパク質が細胞内で結晶化する過程や、その後に分解処理されていく過程の解析に取り組みました。まず、Xpaタンパク質を発現する培養細胞を観察したところ、結晶が非常に速いスピードで成長することが分かりました。結晶の核が形成されると同時に、細胞質に存在するほぼすべてのXpaタンパク質が