「推し」がいる人生は楽しい。応援したいイチオシの対象がいると、日常に彩りが加わる。推しと共に在れるこの世界を肯定できそうな気がする。購買やイベント参加を通じて、愛を形で示せるのは幸せだ。 ——こうした気持ちに覚えがある読者も多いだろう。ただ、推しが研究者というのは、やや珍しいかもしれない。 筆者は、昼はコンサルタントとして仕事をし、夜は研究をする生活を送っている。ときどき情報法政策について論文を書く。論文が専門誌に載ることもある。研究の裾野くらいには位置していると思う。言ってみれば、研究者の「ファン」と「プレーヤー」の中間にいるような存在だ。 そんな筆者には、たくさんの「推し研究者」がいる。繰り返しになるが、推しがいる人生は楽しい。 「推し研究者」への憧れは力になる 研究者という存在にさしたる印象を持っていない人も多いかもしれない。しかし、研究者は、見る人が見れば、スターのように卓抜した存