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*bookに関するijustiHのブックマーク (553)

  • 道徳の厚みと広がり

    研究者にとっては考えることが仕事だが、考えずにすませられるのであればその方がありがたい、という事柄もある。ウォルツァーによれば戦争とは殺人以外の何物でもない。そして、戦争がいかなる場合に正当化されるかを検討する正戦論の目的も、人間が地獄にあってどれほど人間的であり得るかを理解することにあるというのだから、これほど元気の出ないテーマはないだろう。確認しておくが、正戦論は戦争それ自体が正しいと主張しているわけではない。侵略に対する自衛など、否応なく戦争に巻き込まれてしまうケースがあるということを前提に、その戦争を可能な限り抑制しようとする議論である。したがって、「正しい戦争」という字面から感じられるほどの極論ではない。とはいえ、殺人と地獄から議論が始まるのでは、気も滅入るというものである。 その意味では、正戦を論じることなく過ごした第二次世界大戦後の日政治は幸福であった。確かに、失政によって

  • 落合『漢字の成り立ち』:明解。白川静や藤堂について客観的に評価がわかって嬉しい。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    漢字の成り立ち: 『説文解字』から最先端の研究まで (筑摩選書) 作者: 落合淳思出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2014/04/14メディア: 単行この商品を含むブログ (12件) を見る わかりやすーい。漢字の歴史を概観し、これまでの字源の研究を批判的に振り返ったあとで、最新の成果をさっくり解説。非常に明解です。 特に、白川静の字源研究についてきちんと評価をしてくれているのは、ぼくにはとてもありがたかった。漢字というと、白川静信者がやたらにいて、『字訓』『字統』とかを聖書のごとくあがめる人がいっぱい沸いてくるんだけれど、ぼくは前からいま一つ信用できなかったのだ。それについては、こんなところに書いたことがある。「都」というのは、日が人の頭で、それを切り落として城壁に埋めたという、かつての呪術的な信仰のあらわれだ、というのはお話としてはおもしろい。でもそれが漢字の質かというと、ち

    落合『漢字の成り立ち』:明解。白川静や藤堂について客観的に評価がわかって嬉しい。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
  • DVIOUT-coast

    海 岸 工 学 テ キ ス ト Coastal Engineering 広島大学工学研究科 海岸工学研究室 Graduate School of Engineering, Hiroshima Univ. River, Estuarine & Coastal Engineering Laboratory 川西 澄 Kiyoshi Kawanishi Office: A2-423 E-mail: kiyosi@hiroshima-u.ac.jp http://home.hiroshima-u.ac.jp/kiyosi Tel & Fax: 082-424-7817 目 次 2.4 微小振幅波理論. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 1 2.5 波長と波速(分散関係). . . . . . .

    ijustiH
    ijustiH 2014/06/22
    海岸工学 テキスト
  • Amazon.co.jp: 新編海岸工学: 堀川清司: 本

    Amazon.co.jp: 新編海岸工学: 堀川清司: 本
  • 新世界読書放浪 |ポーランドに殉じた禅僧梅田良忠

    大戦時に欧州を舞台にした諜報戦における梅田という名前は記憶に引っ掛かってはいたが、こんな背景があったとは全く知らなかった。しかも帰国後は東欧史の泰斗となり、中学生の息子をポーランドに送り出す。その息子が後に連帯幹部になったとはちょっとスケールが違う。元々は駒沢大を出た禅僧でドイツに留学するつもりが何かの拍子でポーランドに留学して、現地雇員として大使館勤務。ソフィアではポーランド人亡命組織と関係を築き、「すごい美人」のポーランド人の恋人がいてとか、怪しい話が満載である。この禅僧の身分は朝日新聞通信員であって、ブルガリアの機密ファイルにも偽装身分を疑われているのだが、朝日は元よりスパイに寛容な社風である。よく分からんのが、一番のポーランド人同志は戦後粛清され、人も共産主義に同調するところは無かったのに、中学生の息子を共産党政権下のポーランドに留学させ、大学卒業後、連帯に関与し外国人のまま幹部

  • T・ヘイガー『大気を変える錬金術』 | トピックス : みすず書房

    ハーバー、ボッシュと化学の世紀 渡会圭子訳 白川英樹解説 原書のタイトルはThe Alchemy of Air(空気の錬金術)。こののテーマである人工窒素固定には、想像以上に「錬金術」という言葉がぴたりと当てはまる。それが価値の低い物質を、価値の高い資源に変える科学だというだけではない。開発者であるハーバーとボッシュ、二人のまったく個性の異なる科学者を、物質変換の比類ない力のとりこにしてしまった。 ハーバーとボッシュは次なる錬金術を求めて、それぞれに壮大な、ほとんど狂気じみたプロジェクトに突き進んでいく。書『大気を変える錬金術』によれば、二人のうち一方は無惨に失敗し、もう一方は成功に近づきすぎて、より大きな悲劇を招くことになった。現代の錬金術を知りすぎたのは、むしろこれまで日では認知度の低かったボッシュのほうだった。 ボッシュが人工窒素固定の次にのめりこんだプロジェクトは、ガソリンの

  • 「All You Need Is Kill」桜坂 洋 著 | Kousyoublog

    作品世界へゆっくりと、しかし着実に没入していくその過程は、良質な小説を読むときの魅力的な読書体験だ。を手に取り、ページを開いて、文字を追い、少しずつ、少しずつ入り込んでいく。蒼と生い繁る常緑樹の間を抜ける神社の参道を歩いていく心地よさとときめきにも似た体験だ。しかし、その没入が即座になされる作品も少なくない。 「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。夜の底が白くなった。」(川端康成「雪国」)という一文によって脳裏に鮮明に浮かぶ雪景色にしろ、「廻れば大門の見返り柳いと長けれど、お齒ぐろ溝に燈火うつる三階の騷ぎも手に取る如く、明けくれなしの車の行來にはかり知られぬ全盛をうらなひて・・・」(樋口一葉「たけくらべ」)という冒頭を目にしたときに広がる下町の街並みにしろ、その没入体験は一瞬である。 作もまた、最初の一ページ目から作品世界にいざなって・・・否、放りこんでくれる。そこは血と硝煙、

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  • 「東南アジア 多文明世界の発見 (興亡の世界史)」石澤 良昭 著

    東南アジアの歴史に対しては茫洋としていていまひとつ捉えどころがないイメージを感じてきた。目を閉じてみる。茫洋とした海原を越えた先に燦然と輝くアンコール・ワットが浮かんだかと思えば、すぐにヴァスコ・ダ・ガマらポルトガル人が押し寄せ、商人と海賊とが交錯するうちにポルトガルやオランダ、イギリスの植民地と化して、東南アジアの現地の人々の営みはすぐにイメージから消え去っていく。そのあとに浮びあがるのは二十世紀の苛酷な内戦と独裁と戦争、そして二十一世紀の目を見張る経済成長の姿だ。特に十五世紀以前の東南アジア地域のイメージは殆どないと言っていい。 近くて遠い東南アジアの歴史はどのようなものだったのか。著者は東南アジアの歴史を、古代から中世、中世から近世、近世から近代というような、直線的な『進歩と発展をともなう歴史展開ではな』(P29)く、『いうなれば「自己充実史」であり、「精神文化深化史」ではないだろう

    「東南アジア 多文明世界の発見 (興亡の世界史)」石澤 良昭 著
  • 織田信長は、なぜ石山本願寺を攻め続けたのか?

    『日史の謎は「地形」で解ける【文明・文化篇】』より 蓮如上人真蹟の碑「南無阿弥陀仏」 (大阪城公園/大阪市中央区) 地形で解く日史の謎 石山願寺の謎  信長は1570年~80年の11年間、各地の一向宗と血みどろの戦いを繰り広げた。この一向宗の山が大坂の石山にあったので石山願寺戦争と呼ばれた。この戦いには2つの謎がある。 なぜ、信長はあれほど石山願寺にこだわったのか? なぜ、あれほど戦いが長期に泥沼化したか? である。 信長の石山願寺へのこだわりは尋常ではない。この理由に関しても諸説ある。すなわち、信長は一向宗の財力に目をつけた。信長は自分が神になりたかった。一向宗は各地で大名を支えていた……などなどの説である。 しかし、信長はあやふやな因習、伝統、宗教などを嫌い、当時としては珍しいほど合理的な思考をする人間であった。石山願寺へのこだわりがこのようなものであったら、この戦いは

    織田信長は、なぜ石山本願寺を攻め続けたのか?
  • Amazon.co.jp: 〈外地〉の日本語文学選 (1): 黒川創: 本

  • 市町村別水道料金高い自治体、安い自治体トップ10 | Kousyoublog

    千賀裕太郎監修「ゼロから理解する 水の基: 水の安全と環境、ビジネス最前線まで (すぐわかるすごくわかる!)」に市町村別の水道料金が高い自治体、低い自治体それぞれ上位10件のランキングが掲載されていて興味深かったので紹介します。 同書の表の元データとなった総務省「地方公営企業年鑑 第59集」を確認すると、全国平均は1489.2円(参考:規模別家庭用10m3当たり水道料金(法適用)(Excelファイル 34 KB))とのことなので、それぞれがどれだけ高いか、またどれだけ安いかがわかります。しかし、探し方が悪かったせいか、ネットで公開されている資料から表に使われているような具体的な地方自治体のデータを見つけきれなかったので、同書の表の数値について検証できていませんが前述のファイルには水道料金帯ごとの自治体数が掲載されていて、その数自体は上記の表と一致しているので、おそらく信頼していいと思いま

  • [書評]ザ・コールデスト・ウインター 朝鮮戦争(ディヴィッド・ハルバースタム): 極東ブログ

    「あの年読んだってなんだっけ」と今年の読書のことを後に振り返るとしたら、おそらく社会的に話題となった村上春樹「1Q84」(参照)より、書「ザ・コールデスト・ウインター 朝鮮戦争(ディヴィッド・ハルバースタム)」(上巻参照・下巻参照)になるだろう。 読み終えるまで一か月かかった。大著であることもだが内容が重く、なかなか読み進められなかった。上下で11部53章あり、一つの部が軽く新書一冊分の内容を持っていることもあった。ある部を読み終えてから、過去に読んだ書籍を読み返したこともあった。再読しようと書架や実家の書架を探し回り見つけられず、再度購入した書籍もあった。そうした一冊に「新「南京大虐殺」のまぼろし(鈴木明)」(参照)がある。同書はかつて標題の関心から読んでつまらないと捨ててしまったのかもしれない。 書「ザ・コールデスト・ウインター 朝鮮戦争」は標題に「朝鮮戦争」とあるように、もちろ

  • 1192(イイクニ)作ろう鎌倉幕府はなぜ定説ではなくなったのか? | THE NEW CLASSIC

    石井良助が注目したのは、表の「冒頭部分」という項目です。表記の移り変わりがあることに気づきますね。年代順にしてみると、ここは三つに分けることができるようです。石井良助はこれを、第一期(表中1~5)・二期(6~21)・三期(22~26)に分けました。 まず「前右大将政所下文」という表記が続くのが、第一期(表中1~5)です。これは当時、頼朝の称号が前右近衛大将(前任の右近衛大将〔通称、右大将〕の意)であったことによります。 それでは第一期から第二期(表中6~21)に移りかわる原因は何なのでしょうか。これは、頼朝たちがきまぐれに書式を変更したわけではありません。第一期と二期の境目にあたる1192年6月~8月ごろに何があったか―それこそがまさに、頼朝の征夷大将軍就任なのです。 1192年7月12日、朝廷は、征夷大将軍に頼朝を任じる正式決定をします。その命令が鎌倉に届けられたのが、7月26日。そし

    1192(イイクニ)作ろう鎌倉幕府はなぜ定説ではなくなったのか? | THE NEW CLASSIC
  • 日本人と中国人―なぜ、あの国とまともに付き合えないのか

    日本人と中国人―なぜ、あの国とまともに付き合えないのか
  • 司法制度を形骸化させた刑事訴訟法の成立の歴史

    刑事訴訟法の近代史明治政府成立後、近代国家建設と不平等条約解消のため民法刑法典の制定が急務となり、明治六年(1873)、フランスから法学者ギュスターヴ・エミール・ボアソナードが招聘される。明治九年(1876)、改定律例によって江戸時代に制度化されていた拷問制度が廃止され、続いて刑法典と治罪法典(刑事訴訟法)の編纂が始められた。 治罪法制定明治十三年(1880)、ポアソナードによる治罪法草案が元老院と内閣の修正を経て「治罪法」として制定、明治十五年(1882)施行される。この「治罪法」は主に三つの特徴からなっていた。(白取P20)第一に私訴制度で、公訴とあわせて犯罪被害者の損害賠償請求を可能としていた。第二に予審制度で、起訴前予審を禁止し、検察官の関与を排除して起訴後に予審判事が被告人尋問と必要に応じての身柄拘束・証拠収集を行うことで、検察・警察に対し一定の司法的規制が図られた。第三に草案に

    司法制度を形骸化させた刑事訴訟法の成立の歴史
  • Amazon.co.jp: 世界の読者に伝えるということ (講談社現代新書): 河野至恩: 本

    Amazon.co.jp: 世界の読者に伝えるということ (講談社現代新書): 河野至恩: 本
  • Amazon.co.jp: 絶望の裁判所 (講談社現代新書): 瀬木比呂志: 本

    Amazon.co.jp: 絶望の裁判所 (講談社現代新書): 瀬木比呂志: 本
    ijustiH
    ijustiH 2014/02/26
    特定の組織の問題を追究することで一般性も獲得していると
  • Amazon.co.jp: 彼らは自由だと思っていた: 元ナチ党員十人の思想と行動: M・マイヤー (著), 田中浩 (翻訳), 金井和子 (翻訳): 本

    Amazon.co.jp: 彼らは自由だと思っていた: 元ナチ党員十人の思想と行動: M・マイヤー (著), 田中浩 (翻訳), 金井和子 (翻訳): 本
  • 挑め!世紀の難問『ドーナツを穴だけ残して食べる方法』 - HONZ

    学問においていちばん大事なのは、問題をどう解くかではない。どのような問題を設定するかである【アルキメデス】。 アルキメデスが言ったというのはウソだけど、どういう問いかけをするかが重要というのはホントである。このが問いかけるのは、ドーナツを穴だけ残してべることができるか、という哲学的命題だ。この、まったくどうでもいい問題を聞いておもしろがれるかどうか、で、人類を二分することができる。 この人類にとっての超難問に対して、大阪大学の教員たちが堂々と名乗りをあげた。13名それぞれが専門を武器に立ち向かう真の学際的アプローチだ。なかには、その論考のどこがこの問題に関係しとんねん、と言いたくなるのもないわけではないが、そういった牽強付会というのも学者につきものの性癖なので、がまんしてあげましょう。 そこは気にせず、いくつかのすぐれた論考を紹介しよう。まずは数学者。数学者の思考はやはり違う。 “そも

    挑め!世紀の難問『ドーナツを穴だけ残して食べる方法』 - HONZ
  • 論文捏造 (中公新書ラクレ): 村松 秀: 本

    論文捏造 (中公新書ラクレ): 村松 秀: 本