20年以上にわたりシステム構築の現場で仕事をしてきた筆者の経験では、プロジェクトの失敗を探ると要件定義までの上流工程の問題に行き着くことが多い。定義した要求に過不足がある、要求の内容が誤解を生む表現になっている、整理が不十分なまま要求が個条書きされており整合が取れていない──。こうした事態が、みなさんの現場でも起こっていないだろうか。 利用部門などから要求を引き出して分析し、それを基にソリューションを立案してその妥当性を検証する。さらに、要求の変更を管理していく。ソリューション企画から要件定義までの上流工程を中心に、こうした要求にかかわる一連の作業をいかに行うかが、プロジェクト成功の大きなカギを握る。 しかし多くの現場には、要件定義までの上流工程について標準的な方法が存在せず、ITエンジニアの属人的スキルに頼っているのが実情だろう。スキルの高いITエンジニアが要件定義までの工程を担当するか
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