農作物の残留農薬の成分を全自動で短時間に分析できる装置を、宮崎県総合農業試験場、島津製作所、大阪大、神戸大のグループが開発した。 1週間近くかかることもある分析が50分程度で済むという。県は3月末から、この装置を使った分析を始める。 県によると、国内で使われている農薬成分は約400種、世界では約800種。従来の手法は成分ごとに分析方法が異なり、有機溶剤を使う成分抽出にも手間がかかっていた。 グループは高温・高圧下で液体と気体の性質をあわせ持ち、抽出能力に優れた「超臨界流体」に着目。二酸化炭素などの超臨界流体を使い、抽出のための前処理工程を省いた。抽出、分析装置を一体化し、500種の成分に対応する全自動化システムを構築した。 有害な有機溶剤の使用量は従来の10分の1程度に低減。試料が空気に触れないよう工夫し、酸化分解して分析が難しい成分にも対応できるという。最も基本的な機能を備えたも