小田原から箱根大観山を経由し、湯河原峠をつなぐ有料道路「ターンパイク箱根」で4月、自動車評論家の男性が死亡する事故が起きた。神奈川県警は速度超過が事故の原因とみて、再発防止に乗り出した。急カーブが少ない山道は「走り屋の聖地」と呼ばれ、猛スピードで下る車が後を絶たない。危険走行の現場を見た。 5月11日午後、ターンパイクの湘南ビュー展望台近く。小雨の降る中、白いポルシェが低いエンジン音をうならせ、カーブを下っていく。時間を置いて、プジョー、ベンツ、ジャガー……。高級車が次々と高速で走り去った。 「ここは昔から『走り屋の聖地』として有名。スピードを出せるので、走るにはもってこい」。東京から仲間と走りに来たという会社員の男性(51)は言う。 標高約1千メートルの大観山から下るターンパイクは急なカーブが少なく、スピードが出やすい。ジャーナリストの男性は「平日はほとんど車がいないので、走りやすい。大