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ブックマーク / www1.odn.ne.jp (5)

  • 高世えり子『理系クン』

    高世えり子『理系クン』 「理系男子に恋をした!」というオビからわかるとおり、理系研究者である自分のパートナーについてのエッセイコミックである。 ——相手の反応かまわず、自分の専門の話に暴走。 ——やたら事務的に女性の要求を聞いて、脳内検索をするメンタリティ。 ——距離感のとれない、そして意味がわからないコミュニケーション。 ——オシャレ力のなさ。 正直なところ、あまりに類型的な「理系男子」像だ。よくそういうやつがいる、というより、よくそういうふうに描かれる、というニュアンスの方が強いのだが。 むしろ不思議なのは、ではそれほどまでにわけのわからない人間と、著者・高世はなぜつき合い続けたのかということである。 デートで会話が続かないために、高世が相手の専攻をくわしく聞くと、次第に饒舌になりだし、あいづちに乗せられて、ものすごい勢いで専門的なことを語りだす、というのである。 高世は「へーすごーい

  • 紙屋研究所 - 門倉貴史『派遣のリアル』 池田信夫の議論にもふれて

    門倉貴史『派遣のリアル』 池田信夫の議論にもふれて 派遣法の見直しが始まった 政府の諮問機関である労働政策審議会(労働力需給制度部会)で労働者派遣法の見直し作業がはじまった。(2007)年末に報告書がでて、来年には改正法案がでるらしい。 こうした見直しにむけて、民主・共産・社民・国民新、そして連合や全労連系の労組が一堂に会してシンポジウムをおこなっている(07年10月4日)。 4野党・労組シンポジウムではそれぞれの立場からの意見が出たようだが、「派遣法を原則自由化された1999年以前の水準の規制にもどすこと」が共通の要求となりそうだ。また「日雇い派遣の廃止」も連合・全労連共通の要求となり、厚労省もハローワークでの紹介を禁じる通達を出したことから、これも共同の要求になるだろう。シンポでは「登録型派遣そのものをなくすこと」「85年の規制水準にもどすこと」を共産党も連合も要求したから、今後共同要

  • 真鍋昌平『闇金ウシジマくん』――呉智英の「平板さ」にもふれて - 紙屋研究所

    真鍋昌平『闇金ウシジマくん』 ――呉智英の「平板さ」にもふれて ※9巻の感想はこちら 前回につづいてまた呉智英ネタで申し訳ない。 前回ぼくは、呉について、オタク的知識の幅広さ、古典や教養をひも解くペダンチズムゆえに面白いけども、その論じ方に「平板さ」があって、それは呉が戦後民主主義や左翼的良識への対決を売り物にしてきたために、その仮想敵の影響力が小さくなった現在では単純な対決図式だけが残ってしまったことを起源にしている、というむねを述べた。 この「平板さ」について、『団地ともお』や梶原一騎、近藤ようこの作品などを例にぼくはのべたが、たとえばそういう「平板さ」は、『闇金ウシジマくん』の読みなどにも現れてしまう。 呉は『マンガ狂につける薬 下学上達篇』において、「爛熟した文明に出現した『下流』」と題して、三浦展『下流社会』とあわせて真鍋昌平『闇金ウシジマくん』を評している。 はじめに結論を書い

  • 森のくまさんの謎

    (講座:ペンとともに考える2) 森のくまさんの謎 1.はじめに 2.「くまさん」と「お嬢さん」 3.「お逃げなさい」と「危険な場所」 4.そしてすべてが明かされる 5.《再現小説「森のくまさん」》 1.はじめに まず、「森のくまさん」(作詞:馬場祥弘)なる童謡の歌詞を提示する。 ある日森の中 くまさんに 出会った 花咲く森の道 くまさんに 出会った くまさんの 言うことにゃ お嬢さん おにげなさい スタコラ サッササノサ スタコラ サッササノサ ところが くまさんが あとから ついてくる トコトコ トコトコと トコトコ トコトコと お嬢さん お待ちなさい ちょっと 落とし物 白い貝がらの 小さな イヤリング あら くまさん ありがとう お礼に うたいましょう ラララ ララララ ラララ ララララ ここで明らかにすべき最大の謎とは、「くまさん」の不可解な行動である。なぜ、「お逃げなさい」と言っ

  • NHKスペシャル「ワーキングプア 働いても働いても豊かになれない」:

    2006年7月23日放映のNHKスペシャル「ワーキングプア――働いても働いても豊かになれない」を見た。 「フリーター漂流」では、非正規雇用という貧困をうみだす根源へと迫ったが、今回はこの非正規雇用の問題もふまえたうえで、地域や自営業の衰退、社会保障の貧弱さ、貧困の世代をこえた再生産、「希望格差」など、日社会の全体像へと広がっていった。 ちなみに「ワーキングプア」とは、「働く貧困層」の意味で、もともとはアメリカで広がっている事態を説明する概念である。 ここでは、「働いているのに生活保護水準以下という人」を指す言葉として使われており、全国で400万世帯とも、それ以上ともいわれている。日の全世帯の10分の1である。番組では紹介がなかったが、平均世帯人数(1世帯2.36人)で掛けても、1000万人前後がこのような生活を強いられているということになる。 「フリーター漂流」の果てに まず最初に、3

    inflorescencia
    inflorescencia 2006/07/31
    「、「自己責任」という感情に社会がとりまかれている中では、事実をつなげるだけでは問題が見えてこないという、この問題の特殊性がそうさせているのである。」
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