何日かぶりにまだ暗いうちに眠れた。珍しく、目覚める直前にみていた夢を覚えていた。 見たのはあなたの夢だった。 忘れていたはずのあなたの夢を見て、しかも幸せな気持ちにさえなっていたことに少なからずショックを受けた。 あなたを求めはしない。あなたは永遠に誰のものでもない。あなたもそう決めている。 だから僕もあなたを忘れることにした。あなたも僕を忘れることにした。 しかし気づいてしまった。 承認欲求の誘惑。あなたに愛されたい。やはりそこからは逃れられない。 愛してはいけない。しかし愛されたい。 相剋しあう欲望と理想の狭間で煩悶し続けた日々。 あの苦しみはやはり自分自身であった。 今更前言撤回するつもりはない。だから、この苦しみと向き合ったまま生きていくことにしたよ。 ※2007/06/30 8:49初出