『書物の王国 - 人形』 服部正・編 ☆☆☆☆ 国書刊行会から出ている「書物の王国」シリーズのうち、「人形」「王朝」「美食」の三冊を入手した。もともとは谷崎の『少将滋幹の母』を読んで王朝ものをまとめて読みたくなったのがきっかけだが、なかなか面白そうなシリーズなので他のものも入手してみたのである。 これは「人形」篇で、人形に関する古今東西の幻想譚が収録されている。エッセーもあるし詩もある。こういうアンソロジーでなければ読まないようなマイナーな作家や古い怪談集からの抜粋もあって、高価な本だけれども買った甲斐はあった。 ただ最初の作品、ホフマン『クルミ割り人形とネズミの王様』とアンデルセン『しっかり者の錫の兵隊』の連続はどうもいただけなかった(その前にあるエッセー一篇と詩一篇はいわばプロローグで、実質ここから本篇開始)。童話だからだめとは言わないが、もっと他に収録されるべき作品があるのではな
![書物の王国 - 人形 - アブソリュート・エゴ・レビュー](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/bb0e9df6343d8a5dc465e28018d0175d8d2f80ba/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fblogimg.goo.ne.jp%2Fuser_image%2F34%2F14%2Fac13e3c2ae971c556f073bf25bb24125.jpg)