リーダーが感謝を表明することで、組織はさまざまな恩恵が得られる。にもかかわらず、リーダーになって大きな権限を持つようになると、それを過小評価し、部下や同僚に感謝を示す機会が減少しがちだ。心の中でどれほど相手の貢献を評価し、感謝していたとしても、表現しなくては伝わらない。本稿では、リーダーが意図的に感謝を表現すべき理由を論じたうえで、組織に感謝のエコシステムを構築し、リーダー自身が模範となることで、組織やチームにその恩恵を循環させる方法を説く。 自分の仕事が正当に評価されていない――。そのように感じているのは、あなただけではない。 ある調査では、従業員の59%が、自分のことを「本当に評価してくれる」上司がいたことはこれまで一度もないと答えている。別の調査では、自分の仕事が評価されているといま以上に感じられれば、現在の会社にもっと長く留まる、と答えた人が53%に上った。 感謝を専門とするコンサ