地方自治体は中心地の活性化を目的に「多目的ホール」を建てたがる。しかしそうした施設の多くは有効活用されていない。まちづくりの専門家である木下斉氏は「万人受けしそうな施設を造っても人は集められない。むしろ限られたマーケットに特化すべき。たとえば急成長しているサウナ市場であれば、地方の強みを生かせる」という——。 税金のムダ遣いが起こる構造的な問題点 全国各地の自治体が、中心部を活性化するために多目的ホールなどを擁する施設を開発したものの、年間数回しか使われないという笑えない話はいまだに存在します。「ホールの活性化が必要」というような本末転倒な状況になり、さらに税金を投入し続けるケースも多いです。 とくにこの数年間は、交流拠点施設(MICE施設)と呼ばれる音楽ホールと国際会議場などが複合化した多目的施設を全国各地で競って開発していました。全世界から人が集まって学会が開催されたり、音楽イベントが