中国哲学や中国史に依拠した独特の記述法は、『素乾書』・『乾史』・『素乾通鑑』に依拠して歴史事実を記載した小説という体裁を採用し、ファンタジーノベル大賞選考会では井上ひさしにより「シンデレラと三国志と金瓶梅とラストエンペラーの魅力を併せ有す、奇想天外な小説」と高く評価された。 恩田陸、千葉ともこ、清水朔などの作家が、本作に影響を受けたと語っている[5][6][7]。 現代の暦で見れば1607年のこと、素乾国で皇帝腹宗の崩御に伴い即位する新皇帝の後宮整備が行われることになった。宮女募集が行われた緒陀県で、14歳の銀河がこれに応募し、後宮の教育機関である女大学に学ぶこととなった。銀河を含む一行は都城である北師へと旅立つ。その道中で義賊である平勝と厄駘に出会うこととなり、これが後に物語の重要な伏線となる。 北師に到着し、宮女としての教育を受けることになるが、天真爛漫であり、儒学の思想にとらわれない