尖閣諸島における自衛隊特殊部隊と敵国特殊部隊との攻防、そして北朝鮮における自衛隊特殊部隊による日本人拉致被害者の奪還作戦――伊藤祐靖氏(55歳)が書いた新作小説『邦人奪還 自衛隊特殊部隊が動くとき』(新潮社刊)が話題を呼び、すでに4万部のベストセラーになっている。 75回目の終戦記念日を終えたいま、元自衛隊特殊部隊の作家・伊藤氏と、東アジア取材の第一人者である近藤大介が、日本とアジアの「いまそこにある危機」について、語り尽くした――。 尖閣上陸作戦の圧倒的なリアリティ 近藤: コロナ禍に揺れる2020年夏、奇妙な小説を世に出しましたね。私はかれこれ30年以上、東アジアの取材を続けていますが、伊藤さんの『邦人奪還』を読んで、いままで生きて来てよかったとさえ思いました。 伊藤: それ、どういう意味ですか? 近藤: 普段、ノンフィクションの世界に身を置いていると、フィクションを面白いと思えなく
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