「僕、女の子を殺したんだ」顔も思い出せないような、そんな薄い繋がりしかなかったかつてのクラスメイト・神野真国からの電話を受けた左女牛明海は、その言葉を素直に信じることができた。だって、自分のかつて女の子を殺していたから。ひとの記憶を食べるタマシイビトと、その餌になるために殺され続けるイケニエビト。ふたりの前に現れたイケニエビトの少女、彼女との思い出を守るために、彼女を忘れないために、彼らが講じたタマシイビトと戦う方法は……。 表紙絵見て、音楽ものかあ、と思っていたら、その実結構ホラー風味な物語だったわけで。や、確かに音楽を通じて真国や明海、そして烏子=実祈は世界と繋がっていたんですが。 ふたりが過去に殺めたという少女は、怪談の中にひっそりと語られるイケニエビトで、タマシイビに殺されるたびに記憶を食われ、別の人間として生きてく。タマシイビトに殺されると、その存在はあらゆる記録から失われ、ただ