「おい、咲。その『コトノハ』を返せ」 すると咲は家の中でくるりと振り返り、べーっと軽く舌を出して面と向かって言った。 「贈った言葉は返せないのよ」 特殊な力を宿した道具「アンティーク」を巡るお話の第五弾。今回は以下の四編が収録されています。 未来から前借りする、他人から奪う、現在の幸運をあげるバングルのアンティークを巡る「幸運」 世界中の悪意が封じられている壷をめぐる「希望」 望んだ人に望んだ思いを届けられるコトノハを巡る「言葉」 「業務命令」でデートすることになった刻也と咲を描く「本音」 毎度のことながら最後に収録されている短編の咲の魅力は最高ですね。最近では刻也も意識してたりするので、楽しさ倍増です。業務命令でデートさせるとは都和子さんもゆなあとニヤニヤしてしまいましたが、お互いこれは仕事の一環と言い聞かせながら、はやる気持ちを抑えるところが伝わってきて、ああ、楽しい! いつになく
付喪堂骨董店のオーナー・都和子が新たなアンティークを仕入れてきた。『災厄の壺』と呼ばれるそれには、世界のありとあらゆる悪意が封じられているらしい。決してその蓋を開けてはならないと刻也と咲に言い含め、壺の調査を始める都和子。しかし、翌日、刻也は都和子はおろか、咲までいなくなった、無人の店内に愕然とする。脳裏をよぎる、蓋の開いた壺のヴィジョン、そして、壺の置かれた机の上には、現状を端的に示す「この壺の真実に近づいた者に災厄が訪れる――」と記された文献があって……。 幸運 幸運を呼び込むバングルを巡るお話。アンティークによって引き起こされるトラブルよりも、むしろ、それを回収しようと登場した新キャラクター・駿と、彼の連れる少女の存在が気になるところ。 付喪堂骨董店の姉妹店の彼女とは、また違った目的でアンティークに関わっているようだけれど、まずは悪意が感じられてなんとも。今後どういった形で刻也たちと
毎度毎度好きすぎて、新刊が出る度光の速さで読んでしまうシリーズです。 アンティークと呼ばれる不思議な能力を持った骨董品……の偽物を扱う「付喪堂骨董店」の二人のアルバイト・舞野咲と刻也、そして店主である都和子の三人を主要登場人物として連作短編形式でアンティークにまつわる様々なエピソードが展開していきます。 何度でも言いますが、特筆すべきはアンティークに頼りすぎて逆に不幸になってしまうバッドエンド系のエピソードがメインな中、注目は一見クールな無表情系に見えて内面はあれこれ考えまくって自爆傾向のある咲のかわいらいさ。毎巻最後のエピソードは必見! 人の身の丈に余る能力をもったアンティークへの頼りすぎは身を滅ぼす、というのが基本姿勢になっていて、いろいろな人物がアンティークを手にしていきますが結局は哀しい結末を迎えます。そういう描写が多いだけに、咲のかわいさが余計に目立つのですよ! そんなに口数は多
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