前稿「図書館とAI研究:UEC Ambient Intelligence Agora」1では、電気通信大学(以下、「本学」)の新学修スペース「UEC Ambient Intelligence Agora」(以下、「Agora」)の概要を紹介した。本稿では、Agoraのさらなる機能強化を図っていくための課題と、課題解決のための学内教員組織との協働・コラボレーションについて述べる。 1.大学図書館機能強化のための「協働」 デジタル化・ネットワーク化によるコミュニケーション様式の変化や学生の課題解決能力育成を目指すアクティブラーニングの展開など、大学を取り巻く大きな環境変化の中で、大学図書館はさらなる機能の強化と革新を求められている。 国立大学図書館協会は2016年6月に「国立大学図書館協会ビジョン2020」2を公表し、取り組むべき3つの重点領域として「知の共有:<蔵書>を超えた知識や情報の共有