昨年12月の衆議院総選挙で自民党が政権与党となり、第2次安倍内閣が発足して約7ヶ月。21日に投開票された参議院選挙で「ねじれ国会」も解消され、今後、自民党の政策が本格的に実行に移されていくことと思われます。 「世界に勝つ」教育再生 5月、安倍首相は、「世界に勝つ」をテーマに成長戦略第2弾についてスピーチしました。 自民党の総合政策集の「教育再生」のリード文に「教育再生を断行し、世界トップレベルの学力と規範意識、歴史や文化を尊ぶ心を持つ子供たちを育む」とあります。このように、自民党は教育の面においても世界で戦えるグローバルな人材の育成に力を注いでいくものと思われます。 自民党のグローバルな人材の育成に関する具体的な政策の一例として、総合政策集(PDF)には次のことが挙げられています。 国際的に認められる大学入学資格である国際バカロレア資格について、一部のカリキュラムを日本語でも履修可能にする
三重大学名誉教授 岐阜聖徳学園大学教授 1948年 兵庫県生まれ 1972年 東京学芸大学大学院修士課程修了 〈著書〉 『ギリシア数学の探訪』(日本評論社) 『はじめて読む 数学の歴史』(ベレ出版) 『日本数学教育史』(亀書房) 『数と図形の歴史70話』(日本評論社) 『数学大好きにする“オモシロ数学史”の授業30』(明治図書) 和算の一番の魅力は「意外性」にあると思います。 私たちが学校で学んでいる西洋から輸入された数学は一歩一歩論理的に積み上げていく特徴がありますが、和算にはジャンプして一挙に高いところに飛び上がってしまう意外な解法をみせてくれる側面があります。西洋数学が“平面的”であるのに対して、和算は“立体的”に感じられます。特に、和算の数学遊戯的な問題と解法には「なるほど!」と驚かせられ、感心させられるものが多くあって、それが大きな魅力になっていると思います。
奈良教育大学助教授、神戸大学教授、文部科学省初等中等教育局教育課程課教科調査官、国立教育政策研究所教育課程研究センター研究開発部教育課程調査官・学力調査官を経て、現在京都女子大学発達教育学部・大学院発達教育学研究科表現文化専攻教授。国語教育学者。「全国国語教育カンファランス」「全国読書活動研究会」「国語教育公開講座」等を主宰。「小学校全国国語教育連絡会」会長。『子ども時代』『教師のプライド』等のエッセイ集を刊行。主な著書・編著書として、『読む力の基礎・基本』2003、『誰もがつけたい説明力』2005、『読解力を伸ばす読書活動』2005、『書く力の基本を定着させる授業』2007、『話す力・聞く力の基礎・基本』2008、『知識・技能を活用した言語活動の展開』2009、『言語活動例を生かした授業展開プラン低学年』、『同中学年』、『同高学年』2010他。いずれも明治図書。 本を読むことには、次のよ
―本書は、言語活動の30モデルについて、その活動を進めていく手順や方法、指導のポイントをまとめた書籍になっています。先生は、「言語活動を具体的にイメージし、グッドモデルを描く」ことが大切と述べられていますが、この点及び本書のねらいについて教えて下さい。 今般の学習指導要領国語では、言語活動例を通して指導することを一層重視しています。しかし、言語活動そのものを教師自身が実際に行った経験は少ないのではないでしょうか。そのため、言語活動のグッドモデルを十分にイメージできないままに言語活動を子どもたちに求めてしまい、その結果、指導事項との関係付けが難しいといった学校現場の悩みを聞きます。そこで、本書では、言語活動そのものの完成イメージやその遂行のプロセスなどを示すことで、教師自身が言語活動の具体像を描くことができ、何より身に付けようとする能力を設定しやすくなることをねらいとしました。
昨年度の10月のこと。機会を得て「反転授業」を試みた。「反転授業」という言葉はそれまでも聞きかじっていた。これまでの普通教室での一斉授業を見直し、子どもたちにさらに分かる楽しさを味わわせることができる授業法ではないかと気になっていた。 「反転授業」とは 説明型の講義をオンライン教材化して宿題にし、従来宿題であった応用課題を教室で対話的に学ぶ授業(教育とICT Online、山内祐平、講義が宿題になる――「反転授業」より) のことである。つまり、協働的な学習の前提となる知識をICTを使って予習させ、学校の授業ではそれを前提として、応用問題に取り組んだりグループで課題解決したりする授業スタイルである。アメリカでは数年前から小中高で始められ、大学の講義のオンライン化も進んでいるようである。こうした動きは日本の大学でも進められており、最近では東京大学が大規模公開オンライン講座(Massive Op
2024年1月16日に開かれた中教審初等中等教育文科会(第143回)の「不登校・いじめの状況と文部科学省における対応について」の資料によれば、不登校児童生徒数は過去最多を記録(約36万人)。小・中学校における不登校児童生徒のうち、90日以上欠席している児童生徒数、学校内外で相談・指導等を受けていない児童生徒数も過去最多(それぞれ約16万6千人、約11万4千人)という状況となりました。 文科省では、誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策「COCOLOプラン」を2023年5月に策定し、不登校により学びにアクセスできない子供たちをゼロにすることを目指すとしています。 コロナ禍という未曽有の環境に置かれた子ども達や先生方の負担は大きいところですが、皆さんの学校現場では不登校の増加やその対応について、課題をどれくらい実感されていますか?
私が日本に最初に関わりをもったのは、まだ私自身が30代で、変わらない吸引力の掃除機を製造するために開発したサイクロン技術を完成させた1980年代です。当時、世界中の誰よりも私の技術に興味を持ち、深く共感し、寝る間も惜しんで世にまだ存在しないサイクロン技術搭載の掃除機の開発と、製造に手を貸してくれた日本人の技術者の方々との仕事から、私はたくさんの事を学びました。 その後、日本でもダイソンの財団活動を始めた私は、日本には専門校を除いて中学や高校にはデザインという科目がないことに問題があると感じました。小中高の美術過程での図画工作などアート教育だけでは、ものの構造や仕組みを理解するエンジニアリング的な考え方を学ぶ機会がありません。限られた技術科の時間で進化の速い技術の意味をきちんと教えることは容易なことでなく、日本でもなかなか教師が理想と考える技術教育を実現できていないのではないでしょうか。 私
私はジェームズダイソン財団(James Dyson Foundation: JDF)という、主にエンジニアリングやテクノロジー、デザイン分野における教育慈善団体を2002年に英国で設立しました。活動の目的は、今後あらゆる分野で活躍するエンジニアやデザイナーの育成支援、将来を考え始める世代に向けて科学、デザイン、エンジニアリングの楽しさと必要性を伝えることです。具体的には、教育機関や学生、若いエンジニアやデザイナーへの支援活動として国際デザインアワードを開催したり、奨学金の支援などを行ったりしています。また、ダイソン社エンジニアによる講義とワークショップ(問題を見つけ出し、その解決案を試行錯誤しながら新しい技術と共に新しい提案をすることの大切さや製品デザインプロセスを伝える)を各国で行っています。 昨年2012年夏に約1年ぶりに日本を訪問しましたが、その際に多くの方から似たような質問を受けま
11日、国際数学・理科教育動向調査(TIMSS)の結果が文部科学省より公表されました。前回の2007年調査時、教育ニュースでは実際の問題を取り上げながらこのTIMSSについてお伝えしましたが、今回は少し視点を変えて、日本以外の国に目を向けてみましょう。 能力重視!? シンガポールの教育事情 1995年の調査開始時以来、常に上位をキープしている優秀国の一つにシンガポールがあります。日本より上位に位置するこの国の教育事情を、皆さんはご存知でしょうか。 シンガポールは、幼児教育3年、初等教育6年、中等教育4~5年という教育体系をとっており、日本よりも中等教育が少し長めになっています。 しかし、日本との最大の違いは、「初等教育」にあります。シンガポールでは、まず初等教育4年生修了時に、初等教育5~6年生のコース分けのための学力テストが行われます。その後、初等教育修了時にもPSLEとよばれる卒業試験
1.四海波高し 平成22年9月の中国漁船衝突事件、そして11月と翌年7月のロシアのメドベージェフ大統領による北方領土・国後島への上陸、さらに本年8月の韓国の李明博大統領の竹島上陸、加えて石原元東京都知事の尖閣諸島購入方針表明に端を発した同諸島の国有化を巡る中国国内での仕組まれた反日デモと、尖閣諸島沖での連日の中国公船によるわが国領海へのニアミス挑発…。 まさに、「日本列島、四海波高し」といえる状況です。 なぜこのような国境の形骸化という異常な事態になってしまったのでしょう? なによりもロシア、韓国、中国に「非」があることですが、他方戦後歴代政権のケジメをつけない近隣諸国外交のツケがまわったとか、事態が急展開した現政権の事なかれ主義外交、弱腰外交が、その「非」を誘ったとかいわれました。どれも当たっていると考えることができます。 加えて歴史の大局から見ると、ソ連崩壊後、東アジアに残った冷戦構造
27日、文部科学省は平成24年度分の高等学校教育の改革に関する推進状況について結果を公表し、中高一貫教育校の学校数が平成23年度から21校増加し441校となったことを発表した。 現在の学制である6・3・3・4制は戦後まもなく制定されたが、現代の子どもの身体的発達に当初との乖離が生じてきたこと、また、小学校高学年と中学生の間で、この時期特有の心理的変化により学校の好き嫌いや学習に取り組む姿勢に差が生まれており、その結果学力不振や学校生活への不適応を招いていると考えられること(中1ギャップ)から、近年学校間の連携が重視されるようになってきた。 冒頭で述べた中高一貫校は、平成11年度から制度化されており、大学入試に向けて独自のカリキュラムが組み立てられ、余裕を持って勉強に取り組める、ということで今大変な人気を集めている。 また一方で、公式な制度ではないものの、各自治体からスタートした動きとして、
いかがでしたか。聴覚障害児と健常児によるN響との夢の共演。これは世界でも初めての取り組みでした。 本日は、この共演が実現するまでの舞台裏、そして聴覚障害の子どもたちの思いをひもといてみましょう。 N響コンマスの篠崎氏と意気投合! 共演のきっかけは、ある時、私がNHK交響楽団のコンサートマスター篠崎史紀氏のリサイタルに行くことからはじまります。私が篠崎氏と同じ福岡県出身であり、打楽器(パーカッション)を通して地域のオーケストラに参加していたことから、篠崎氏とお話をさせて頂く機会に恵まれました。その際、ボディパーカッション教育の話題になったのです。 篠崎氏「それはどんな音楽なのか?」 私「身体全体を打楽器にして演奏し、様々な音楽と共演できます」「音符を読めなくても、楽器がうまく演奏できなくても、誰でも一緒に音楽を楽しむことができる教材です」 篠崎氏は大変興味を持たれ、実際に演奏をしている様子を
社会的自立の基礎となる能力・態度及び価値観の体系的な育成のための幼小中一貫教育の新領域による自己開発型教育の研究開発(1年次) 開催地域 広島県 日程 2012/11/16~11/17(※要申込:11/14まで) 主催 広島大学附属三原幼稚園・小学校・中学校 参加対象 幼児・保育/小学校/中学校 ジャンル 総合的な学習/指導方法・授業研究/幼児教育 ●11月16日(金) 〇基調提案 「希望(のぞみ)」の視点での保育及び,新領域「希望(のぞみ)」の授業についての基調提案 〇「希望(のぞみ)」の視点での保育及び,新領域「希望(のぞみ)」の授業についての公開および研究協議会とシンポジウム 8:20~ 受付 8:40~9:00 希望の基調提案(幼稚園) 9:10~9:30 希望の基調提案(小・中学校) 9:00~11:30 公開保育「希望」 9:40~11:30 公開授業「希望」 12:00~12
『女教師ツーウェイ』2012年11月号の特集は、「変化のある繰り返し!マンネリ授業が大変身」。行事が多い2学期、そちらの進行に気をとられて、普段の授業はマンネリ化した指導で済ませてしまっているな…、と感じられている先生方にぜひ読んでいただきたい特集です。 フラッシュカードや伝承遊びを取り入れた体ほぐし、季節の漢字文化など、紹介されている実践からは次々と変化する先生の指示や発問でテンポよく授業が展開されていく様子が伺えます。「変化のある繰り返し」が子どもたちの集中度を上げ、クラスの一体感を生み出している実践ばかりです。しかし、実際の学校現場で、それらの実践を真似ようとしてもすぐにはうまく行かないもの。クラスや子どもの状況が違えばいろいろな工夫が必要で、何度もやっていけばリズムやテンポを体感することができる、と石川編集長は記しています。また、巻頭言にある「できることだけやってみよう」という編集
岡山大学大学院教育学研究科准教授。光村図書小学校国語教科書編集委員。 筑波大学第二学群人間学類心理学主専攻卒業,筑波大学大学院博士課程教育学研究科単位取得退学。平成24年4月より現職。 著書に、『異文化コミュニケーション論』コレール社(家村睦夫と共編著2003年)、『バイリンガル・テキスト 現代日本の教育 〈制度と内容〉』東信堂(共著、2010年)、『国語科教育学はどうあるべきか』明治図書(共著、2010年)などがある。 領域とは「話すこと・聞くこと」「書くこと」「読むこと」の3領域のことを指します。これらを組み合わせて指導することです。って、それだけではわからないですよね(笑)。 教科書のめあてを見てみると「読むこと」の教材であってもたいてい「読んで~する」となっています。学習指導要領でも、領域を関連付けて指導することになっています。 大人の言語生活を振り返ってみても、書くときにはインプ
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