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歴史とbookに関するja_bra_af_cuのブックマーク (79)

  • 既存の「わかりやすい」人類史を現代の知識・研究でとらえなおす、『ブルシット・ジョブ』著者の遺作となった大作ノンフィクション──『万物の黎明 人類史を根本からくつがえす』 - 基本読書

    万物の黎明 人類史を根からくつがえす (翻訳) 作者:デヴィッド・グレーバー,デヴィッド・ウェングロウ光文社Amazonこの『万物の黎明』は、世の中にはやってもやらなくてもいいようなクソどうでもいい仕事で溢れているのではないかと論を展開した『ブルシット・ジョブ』で知られるデヴィッド・グレーバーの最新作にして、遺作となった大作ノンフィクションである(単著ではなく、考古学の専門家デヴィッド・ウェングロウとの共著)。今回テーマになっているのは、サブタイトルに入っているように、「人類史」だ。 多くの(特に売れている)人類史には、環境要因に注目したジャレド・ダイアモンド『銃・病原菌・鉄』や「虚構」をテーマにしたユヴァル・ノア・ハラリの『サピエンス全史』のように「わかりやすい切り口」が存在するものだが、書(『万物の黎明』)の特徴の一つは、数多語られてきた「わかりやすい切り口」の「ビッグ・ヒストリ

    既存の「わかりやすい」人類史を現代の知識・研究でとらえなおす、『ブルシット・ジョブ』著者の遺作となった大作ノンフィクション──『万物の黎明 人類史を根本からくつがえす』 - 基本読書
  • 「ブルシット・ジョブ」著者が遺作で切り込んだ相手

    「ポップ人類史」を根から批判 『万物の黎明』のひとつのもくろみは、ユヴァル・ノア・ハラリやジャレド・ダイアモンド、スティーヴン・ピンカーなどのベストセラーの著者たちのテキスト、いわゆる「ポップ人類史」を根から批判することにある。かれらへの言及と批判は、書の随所にあらわれる。 かれらのほとんどが、人類学にも考古学にも門外漢である。しかし、かれらは人類学や考古学の領域でのめざましい近年の発見をつまみぐいしながら、旧来のパラダイムに巧みに適合させた著作を書いている。そしてそれによって人は、世界の見方を揺るがせにすることなく、新奇な発見をたのしむことができる、と。その批判は、辛辣である。 「わたしたちの議論展開に性急さのようなものが感じられるとしたら、その理由は、現代の著述家の多数が、ホッブズやルソーといった啓蒙時代の偉大な社会哲学者の現代版はわれなりといった風情で、おなじ壮大な対話を(ただ

    「ブルシット・ジョブ」著者が遺作で切り込んだ相手
  • 索引の歴史は、時間と知識についての物語である──『索引 ~の歴史 書物史を変えた大発明』 - 基本読書

    索引 ~の歴史 書物史を変えた大発明 作者:デニス・ダンカン光文社Amazon主に重要な単語や人名が何ページに出てくるかを示すために巻末についている「索引」。索引はノンフィクションについていることが多いが、これに注意を払う人はあまり多くないだろう。調べ物でもなくただそのノンフィクションを頭から尻尾まで楽しみたい人にはそこまで必要なものとはいえない。実際、僕も読まない方が多い。 しかし何か具体的な目的を持ってあるを読んだり、読み返したりする人にとってはとても重要な存在である。えーとこののフロイトについて言及してる箇所が知りたかったんだけどどこだったっけな……という時に、電子書籍なら検索で一覧が表示されるが紙の場合は索引がなければ最初から読み返す必要があるからだ。 書『索引 ~の歴史 書物史を変えた大発明』は、そんな索引の歴史について書かれた一冊である。僕が日頃読むノンフィクションには日

    索引の歴史は、時間と知識についての物語である──『索引 ~の歴史 書物史を変えた大発明』 - 基本読書
    ja_bra_af_cu
    ja_bra_af_cu 2023/09/13
    "現代でめったにフィクションに索引がないのはなぜなのか(失敗の歴史があるからだが、どのように失敗してきたのか)[...]本書の索引は、日本語版索引、索引家による索引、コンピュータによる索引と3つもあって、力作"
  • #5076. キリスト教の普及と巻子本から冊子本へ --- 高宮利行(著)『西洋書物史への扉』より

    この2月に髙宮利行(著)『西洋書物史への扉』が岩波新書より出版されています.西洋における歴史が,多くの写真やエピソードとともにコンパクトにまとめられています.参考文献も整理されており,次の一冊に進むのに有用です. 歴史には数々の論点がありますが,巻子(かんすぼん;volume)から冊子 (codex) へとの形態がシフトした問題について「冊子の登場」と題する章で紹介されています. 巻子は冊子に比べて検索しにくかったということがしばしば言われます.シフトの背景にはそのような実用的な要因もあったことは確かと思われますが,キリスト教の普及と関係する社会的な要因もあったと考えられています. 髙宮 (pp. 45--45) では,紀元1--5世紀に作られた現存するギリシア古典作品のについて,巻子と冊子の比率を比べた調査が紹介されています.それによると,1世紀には冊子はほと

    ja_bra_af_cu
    ja_bra_af_cu 2023/03/21
    髙宮利行『西洋書物史への扉』より “冊子写本は,巻子本を用いていたユダヤ教や周辺に存在していた異教に対して,原始キリスト教がユダヤ教から分派し,成立したことを示す象徴的な形態として,選ばれた”
  • 旧石器時代の人間の意識、世界の認識を「体験」する過程──『人間のはじまりを生きてみる: 四万年の意識をたどる冒険』 - 基本読書

    人間のはじまりを生きてみる: 四万年の意識をたどる冒険 作者:チャールズ・フォスター河出書房新社Amazonこの『人間のはじまりを生きてみる』は『動物になって生きてみた』で知られるチャールズ・フォスターの最新邦訳作。『動物になって生きてみた』は、僕も刊行当時読んで記事を書いているが、衝撃的な傑作であった。『動物になって〜』の中で、チャールズはアナグマやキツネ、カワウソといった動物になりきって生活し、その過程で彼らがどのような世界を観ているのかを実際に体験している。 それが、仲間や撮影スタッフを引き連れて数時間アナグマ的な体験をしました〜といった内容だったら微笑ましい内容だが、彼の凄いところは普通の人間がやらないレベルまでやっていたところにあった。アナグマとして生きる章では、巣穴を格的に彫り始めるところからはじめ、何日もそこで泊まり込み、ミミズを生でい、雨が降っても家に戻らず、川や地面に

    旧石器時代の人間の意識、世界の認識を「体験」する過程──『人間のはじまりを生きてみる: 四万年の意識をたどる冒険』 - 基本読書
  • われわれは運動をするために進化してきたわけではない──『運動の神話』 - 基本読書

    運動の神話 上 作者:ダニエル E リーバーマン早川書房Amazonこの『運動の神話』は、『人体600万年史 科学が明かす進化・健康・疾病』などの著作や、身体活動に関する研究で知られる人類学者ダニエル・E・リーバーマンによる、運動についてのノンフィクションである。書名に「運動の神話」とついているのは、書が運動にまつわる神話とその実態を紐解いていくだからだ。 たとえば、運動の神話のひとつに「私たちは運動をしたがって当然だ」というものがある。われわれはもともと狩猟採集民で、日頃ずっと歩いたり走ったりと身体活動が活発な状態にあったわけだから、体を動かすのが当然なのだと。そうやって運動を推奨し、運動は薬だ、老化と死期を遅らせる魔法の薬だ、と吹聴しつづける人たちもいるが、著者はそうした人たちのことを”エクサシスト”(exercist)と呼んでいる。 運動なんてしたくなくて当然だ 実際のわれわれは

    われわれは運動をするために進化してきたわけではない──『運動の神話』 - 基本読書
  • ドラムキットという奇妙な楽器とその時代(、つまり現代)[review: Matt Brennan, Kick It: A Social History of the Drum Kit. Oxford University Press, 2020.] – imdkm.com

    最近の投稿 日曜日のプレイリスト 009 2024-04-14 日曜日のプレイリスト #008 2024/03/24 [書評]川上幸之介『パンクの系譜学』(書肆侃侃房、2024年) 三宅唱監督「夜明けのすべて」を見た(ネタバレあり) 日曜日のプレイリスト #007 最近のコメントなんとなくPython入れ直したらSpleeterがうまく動かなくて困ったけどなんとかなった話とおまけ に 耳コピ/ボーカル抽出が捗る!Spleeterの使い方 – YTPMV.info より読書会をやった に ポプミ会報告(大和田俊之編著『ポップ・ミュージックを語る10の視点』より永冨真梨「カントリー・ミュージックの新潮流と多様性」) – imdkm.com よりヨルシカ「創作」の販促のあれ に ryuto よりヨルシカ「創作」の販促のあれ に imdkm よりヨルシカ「創作」の販促のあれ に ryuto よりア

  • 歴史認識をアップデートする『世界史の考え方』

    歴史を学ぶ意義について、物理学の教授と話したことがある。 歴史とは、過去を扱う学問だ 過去は既に確定しており、覆ることはない 新たな史料が発見され、史実が変わることは滅多にない だから、歴史を学ぶことは、昔の出来事を覚える作業になる。過去は確定しているから、教科書はほとんど変わらない―――そう教授は断言した。 「過去は変えられない、確定した出来事だ」という一言は妙に刺さり、なるほどなぁと納得したことを覚えている。 しかし、世界史を学びなおし、最近の教科書を読み直してみると、これは誤っていることが分かった。「過去は変えられない」は正しいが、「過去に対する認識」は変化するからだ。 現代は「平和な時代」か? 例えば、次の文を読んでみよう。 長い歳月のあいだに人間の暴力は減少し、今日、私たちは人類史上、最も平和な時代に暮らしている スティーブン・ピンカー『暴力の人類史』の主張で、かつては、頷いた方

    歴史認識をアップデートする『世界史の考え方』
  • 突然ですが『絶対に解けない受験世界史3』を出版します! | パブリブ Publib LLC

    突然ですが『絶対に解けない受験世界史3』を出版します! 著者は稲田義智さんで副題は「悪問・難問・奇問・出題ミス集」です。 シリーズ名は「大学入試問題問題」でそれの第3巻に当たります。 数々の出題ミスを暴露してきたシリーズ 早慶悪問激減・上智世界史ほぼ撤退・センター試験終了 シリーズ継続すら危ぶまれたが杞憂に! 次から次へと出てきて過去最多ページ数に! 大学入試の問題制作者から、かなり恐れられ続けてきたシリーズ。 そのおかげもあってか早慶などの有名私立大学では悪問が激減してきています。 また上智などを含め、世界史を課す大学自体が減ってきています。 そしていよいよセンター試験も終了してしまいました。 このままだと世界史から悪問や出題ミスが激減するかと思いきや、そうでもありませんでした。 結果的に560ページという一般的に考えてもかなりの大著に。 ページ数が前巻に比べて34%も増えてしまいま

  • 東大教養学部の集中講義『歴史学の思考法』

    高校日史の教科書で、鉄砲伝来の記述として正しいのはどちらか? 1543(天文12)年、ポルトガル人の乗った船が、九州南部の種子島に漂着した。 1543(天文12)年、ポルトガル人を乗せた中国人倭寇の船が、九州南部の種子島に漂着した。 答えは、どちらも正しい。Aは、1980年代の記述で、Bは近年のものになる。 だが、イメージが違ってくる。Aだと、ポルトガル人を乗せた西洋の船が漂着した、と想起されるが、Bの場合だと、橋渡し役として倭寇が登場する(※)。 なぜ、記述が変わったのか? 新たな史料が発見されたのか? 新しい史料が発見されたわけではない。南浦文之『鉄砲記』とガルヴァン『新旧発見記』とで、漂着した年に差はあるが、根拠となる史料は変わっていない。 同じ史料に基づいているにもかかわらず、昔の教科書では「中国人倭寇の船に乗って」いなかったのはなぜか? 史料を読み取る側の変化 東大教授陣の『歴

    東大教養学部の集中講義『歴史学の思考法』
  • 日本を調べた大作『暴力と不平等の人類史 戦争・革命・崩壊・疫病』

  • 全人類が共有できる歴史はありうるのか?『新しい世界史へ』

    歴史は勝ったほうが書く」のだから、いま主流の価値観や集団に焦点を当てるのが普通だと思ってた。各時代の支配層が、自らの正統性の証(あかし)を過去に求め、上書き保存してきたのが、歴史叙述だと考えてきた。 だから、書で紹介される「新しい世界史」は、斬新で、困難だと考える。その一方で、この世界史を知りたい、と強く願う。 『新しい世界史へ』は、いわゆる「世界史まとめ」ではない。 よくあるWikipediaのコピペに「教養」というレッテルを貼ったでもない。そういう巷の「世界史」に隠されている先入観や意図を明るみに出し、改善策を示し、代案を提示するだ。いうなれば、世界史を語るのではなく、「世界史の語り方」を考える一冊なのだ。 全人類に向けた世界史という、ある意味、ぶっ飛んだ構想を議論しているのは、羽田正氏である。比較歴史学の専門家で、東京大学の東洋文化研究所の所長のキャリアを持つ。著書も多数で、

    全人類が共有できる歴史はありうるのか?『新しい世界史へ』
  • 『【ビジュアル版】世界の歴史 大年表(創元社)』定延由紀 他訳 | Call of History ー歴史の呼び声ー

    出版元の創元社様よりご恵投いただきました。ありがとうございます。 その惹句の通り宇宙の誕生から現代まで、134のテーマに分けられてそれぞれの歴史が年表形式でまとめられた、大判で非常にボリュームある図鑑である。非常にキャッチーな図版と凝ったレイアウトがページをめくるたびに目に入ってきて当に楽しい。 創元社の特集ページで詳しく見ることが出来る。 第1章「先史時代」紀元前3000年以前 先史時代/宇宙の物語/地球の生物/恐竜の時代/恐竜の絶滅/人類の起源/農業/金属の加工/町と都市/車輪の物語/文字 第2章「古代の世界」紀元前3000~紀元後500年 古代の世界/メソポタミア/遊びとゲーム/古代エジプト/古代の大型建造物/ギザの大スフィンクス/物語の物語/宝飾品(ジュエリー)/スポーツの物語/古代ギリシア/数学/民主主義の物語/ケルト人の台頭/アケメネス朝ペルシア帝国/イッソスの戦い/哲学の物

    『【ビジュアル版】世界の歴史 大年表(創元社)』定延由紀 他訳 | Call of History ー歴史の呼び声ー
  • なぜ人類は国家を作り、発展させられたのか?──『反穀物の人類史──国家誕生のディープヒストリー』 - 基本読書

    反穀物の人類史――国家誕生のディープヒストリー 作者:ジェームズ・C・スコット出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2019/12/21メディア: 単行我々人類の大半は今は家畜を飼い、農耕を行い、足りない分を輸入することで定住生活を営んでいる。一般的に、そうやって定住して生活をすることは文明的であることの証である。なぜなら我々人類は、狩猟採集生活から、動植物の家畜化・作物化が発生し、そこから固定した畑での農業、定住に繋がったと思われているからだ。 だが、定住は動植物の家畜化・作物化よりもずっと早かったし、初期文明とされる農耕-牧畜文明の連合体が発生する4千年前には、飼いならしによる家畜化や作物化はすべて行われていたのである。つまり、人間は農耕の技術を得てから即、国家を作り始めたわけではない。その後長い年月をかけてようやく国家らしきものが成立しはじめたのである。国家を作り上げることで人間

    なぜ人類は国家を作り、発展させられたのか?──『反穀物の人類史──国家誕生のディープヒストリー』 - 基本読書
  • 「中世ヨーロッパの農村世界 (世界史リブレット 24) 」堀越宏一 著 | Call of History ー歴史の呼び声ー

    山川出版社の世界史リブレットシリーズで前回紹介した「中世ヨーロッパの都市世界」とあわせて読みたいのが、都市に対して中世ヨーロッパの農村について概観した書「中世ヨーロッパの農村世界」である。 中世ヨーロッパの農村と言われてまず想像するのは封建制、すなわち騎士を傘下においた封建領主たちが村落共同体を支配し「荘園」で農民たちを「農奴」として奴隷的に酷使して、その不満は時に農民反乱として爆発するというイメージではないだろうか。農村は確かに中世ヨーロッパ社会を構成する基盤となっていたが、中世ヨーロッパの農村研究も随分と変わって前述のような、「自由な都市」の対照としてのイメージではなくなってきた。 『近年の中世農村史研究は、このような古典的な理論やイメージにいくつかの根的な変更を加えると同時に、新しい中世農村像を描くための豊かな材料をもたらしてくれている。』(2頁) 近年の研究成果が他の世界史リブ

    「中世ヨーロッパの農村世界 (世界史リブレット 24) 」堀越宏一 著 | Call of History ー歴史の呼び声ー
  • 筑摩書房創業80周年記念出版 ちくま新書 新シリーズ、ついに始動 世界哲学史

    哲学を「西洋哲学史」の枠から解き放つこと。哲学がそもそも《越境》の武器であったことを考えてみれば、遅すぎたくらいだ。けれどもこの作業に取り組むにはこれまた法外な知的センスと労力が要る。尊敬と緊張とをもって注視しつづけたい。

    筑摩書房創業80周年記念出版 ちくま新書 新シリーズ、ついに始動 世界哲学史
  • 『会計が動かす世界の歴史』はスゴ本

    シャーロック・ホームズの金銭感覚や、ダーウィンの資産活用から、会計と革命の意外すぎる関係、複式簿記から解き明かす知性の進化など、歴史を縦横に行き交い、ミクロからマクロ経済まで自在にピントを合わせながら、人類の歴史を損得の視点から紐解く。 パッケージから、最初は「簿記の歴史」や「会計の世界史」という印象を持った。だが、書の焦点深度はもっと広い。そして、めちゃめちゃ面白い。これは、お金と人との関わり合いをドラマティックに描くだけでなく、それを通じて「お金とは何か」ひいては「価値とは何か」についても答えようとしているからだ。 「お金」が人を作った? 誤解を恐れずに言うと、「お金」が人を作ったといえる。 逆じゃね? と思うだろう。壱万円札を作ったのは人だし、その紙に「壱万円分の価値がある」(ここ重要)と信じているのは人だから。なぜ壱万円に壱萬円分の価値があるかというと、壱萬円の価値があるとみんな

    『会計が動かす世界の歴史』はスゴ本
  • 『ぼくと数学の旅に出よう 真理を追い求めた1万年の物語』「数」に秘められた歴史と驚異、そして情熱 - HONZ

    告白するが、筆者は数学が嫌いだ。大がつくほどに。中学時代は試験で平均点付近と、なんとかついて行けていたが、高校入学以後は赤点・追試続き。もううんざりだと、大学の進路ははやばやと私立文系で気持ちをかため、授業選択が可能となると数学・化学・物理は一切取らず、尻尾を巻いて逃げてしまった。そのコンプレックスと敗北感を引きずってか、今でも数式を見るとなにやら怖気立ってしまう。 こういう状態にもかかわらずこの指が伸びたのは、勉強し直したいからというより、あのとき数学を面白いと思えていたらどんな人生になっただろうかと興味を覚えたためだ。そんな個人的な思いも相まって、少々おっかなびっくりな読書となった。 閑話休題、書は1984年フランス生まれの若き数学者ミカエル・ロネーによる数学普及運動を書籍としてまとめた一冊だ。内容を一言で説明すると、1万年以上前から現代に至るまでの数学の発見や歩みを平易かつ親

    『ぼくと数学の旅に出よう 真理を追い求めた1万年の物語』「数」に秘められた歴史と驚異、そして情熱 - HONZ
  • ハーモニー探究の歴史 - 音楽之友社

    ルネサンスから現代まで、美しい音の響きについて、西洋人はどのように考え、それを理論化しようとしたのか? 各時代を画する和声理論を取り上げ、ドイツ的視点とフランス的視点の両面からバランスよく考察し、さらに、イタリア、アメリカの視点を加えた。分かりやすい解説は、大学のテキストに最適。 ♪【関連情報】「専門書にチャレンジ!」掲載記事はこちら 凡例 はじめに――思想としての和声理論 序 章 ハーモニーの範囲と方法 1.3つの大きな関心事 2.基的な用語について 3.主要な理論家と書の構成 第1章 数と協和音――初期近代の音楽理論におけるピュタゴラス派の伝統 1.ザルリーノ 2.デカルト 第2章 自然と音楽――和声を科学的に説明する 1.ラモーの飽くなき夢 2.数比から協和音程を説明できるか? 3.和声の物理学的基礎づけのさまざまな試み ◆コーヒーブレイクVol.1――和声は科学? 哲学? それ

    ハーモニー探究の歴史 - 音楽之友社
  • 『中世の覚醒:アリストテレス再発見から知の革命へ』 - leeswijzer: een nieuwe leeszaal van dagboek

    リチャード・E・ルーベンスタイン[小沢千重子訳] (2018年10月10日刊行,筑摩書房[ちくま学芸文庫・ル-8-1],東京, 580 pp., 体価格1,700円, ISBN:9784480098849 → 版元ページ) 文庫版で600頁もある. 【目次】 はじめに 13 序章 中世のスター・ゲート――西ヨーロッパの覚醒 19第1章 「知恵者たちの師」――アリストテレスの再発見 37 1 驚くべき事実――ムスリムの知的財宝 37 2 プラトンとアリストテレス 55 3 「哲学者」アリストテレス 68 4 アリストテレス思想の核心 81第2章 「レディ・フィロソフィー」の殺人――古代の知恵はいかにして失われ、ふたたび見出されたか 95 1 アウグスティヌスとその時代 95 2 滅びゆく帝国 111 3 異端者たちの行方 129 4 唯一神教とアリストテレス 146 第3章 「彼のには翼

    『中世の覚醒:アリストテレス再発見から知の革命へ』 - leeswijzer: een nieuwe leeszaal van dagboek