あるノマドの知の旅路 私はどこを安住の地とすることもなく、終の棲家とすることもなく、ただひたすら、人々の話を聴いては、さまよい歩く。どこを目指すわけでもない、あてどもない旅路。そこで出会う人々の話だけが、旅を続ける理由、そして、原動力となる…。 紹介文 本書は、社会的な逸脱を犯した人々、すなわちアウトサイダーに関する理論のひとつであるラベリング理論についての本である。本書の著者ハワード・S.ベッカーは、自身がジャズ・ミュージシャンとして活動していた経歴を活かし、それまでの社会学において、ほとんど明らかにされてこなかったアウトサイダーたちの実態を、彼らとの日常的なコミュニケーションやインタビューをもとに描き出している。そして彼は、「逸脱とは、常に誰かの企画によって生み出されるものである」と主張し、所得水準や人種といった個人の属性こそが逸脱を生み出すという従来の社会学を批判する。彼は、いかなる
大谷能生による『平岡正明論』が、ele-king booksより5月30日に刊行された。大谷能生にとっては『ジャズと自由は手をとって(地獄に)行く』以来の、5年ぶりの単著になる。同書は、ジャズのみならず政治思想、第三世界革命、歌謡曲、極真空手、河内音頭、浪曲などを対象に縦横無尽の思考をハイペースで書き残し続けてきた「戦後最大スケール」の批評家・平岡正明の生涯と著作を丹念に辿っている。2009年に逝去した平岡正明だが、その再評価の機運は高まりつつある。昨年11月に刊行された『ヱクリヲ7』「音楽批評のオルタナティヴ」では、平岡をジャズからHIPHOPへの再接続を企図した後藤護「レアグルーヴ、平岡正明」が掲載され、同特集に参加した吉田雅史もまた当初は平岡正明論を準備していた。 残した著作は120冊を超える、大思想家でもあった平岡正明の可能性はどこにあるのか。大谷能生・後藤護・吉田雅史の3名による
餌を使ってジャズを認識、学習したポートジャクソンネコザメ。オーストラリア、ニューサウスウェールズ州で撮影。(PHOTOGRAPH BY FRED BAVENDAM, MINDEN PICTURES/NATIONAL GEOGRAPHIC CREATIVE) 新たな研究によると、サメは意外に洗練されているようだ。 ほかの魚と同様、サメは音を頼りに活動する。音波は水中では空気中の4倍の速さで伝わるため、魚はしばしば音を利用して食物を見つけ、敵から隠れる場所を探し、ほかの魚とコミュニケーションしている。 では、一般の魚より賢いとされるサメは、音楽を聞き分けたり、楽曲と食物を結びつけたりできるのだろうか? オーストラリア、マッコーリー大学魚類研究所の博士課程に在籍するカタリナ・ビラ=ポウカ氏とカラム・ブラウン准教授は、ポートジャクソンネコザメ(Heterodontus portusjacksoni
昔は雑誌を含めてジャズに関する本はたくさん出版されていた。大方のジャズファンは、ジャズのレコードを聴きながら、セットでそれらの本を読むのを楽しみにしていたので、私もそうだが、今でも本棚の中に雑誌の特集号を含めて数多くの昔のジャズ本が並んでいる人が多いのではないかと思う。これらは大ざっぱに分けると、(1)ジャズ史やミュージシャンの伝記類、(2)有名レコード(名盤)、有名ミュージシャン紹介と著者の分析・感想、(3)ジャズの「聴き方」の類、(4)ジャズという「音楽そのもの」について考え、語る評論、という4つの形態があったように思う。加えて、ここにジャズとオーディオ、録音との関係を語った本がある。当然だが、これは大体歴史順にもなっていて、まずは啓蒙書、教養書のような(1)で基本的なことを学習し(60-70年代)、実際のジャズを聴こうと(2)で数多くの音源、レコードの存在と内容を学び、聴き(主に70
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