東南アジア諸国連合(ASEAN)関連の会議に出席するため、タイ中部のパタヤを訪問していた麻生太郎首相は、反政権派による暴動のあおりを受けて、早々に帰国した。その際、民間機で事前に入国していた各省職員らも急遽(きゅうきょ)、一緒に連れ戻すなど、予備機を含めて政府専用機2機をフル活用するドタバタの「脱出劇」となった。 「報道陣はこちらに乗ってください!」 11日午後8時(日本時間同日午後10時)前、パタヤ近郊のウタパオ海軍基地。首相同行の記者団は、叫び声を上げる外務省職員に誘導されて専用機に乗り込んだ。本機に並んで駐機していた予備機には、タイに先乗りしていた省庁職員らが吸い込まれていった。 政府専用機の運航は、自衛隊法により、緊急事態に備えて首相らが乗る本機とは別に、乗客を乗せない予備機も合わせ2機編隊で飛ばしている。最近では平成16年5月、訪朝した小泉純一郎首相(当時)とともに拉致被害者家族