◇若手に助言も フィギュアスケートの全日本選手権に、2大会連続五輪代表の村主章枝(AK)は特別な思いを胸に挑む。大みそかには29歳。約15年間第一線で滑ってきた村主は「競技生活は今季限り」と明かす。15度目の全日本選手権は五輪を懸けるだけでなく、未来へメッセージを伝える舞台になる。 浅田真央(中京大)や金妍児(韓国)ら主流が10代の世界で、なぜ滑り続けてきたのか。今でも心に留めているのは母薫さんの言葉だ。「勉強がわからなくても、やれば足りないものが見えてくる」。母の助言はスポーツというフィールドでも役立った。「試合という追い込まれた状況でひらめき、感じることがある。これは毎日継続しているから気づくこと」。それが競技の面白さだという。 若い伸び盛りの選手にも苦労は多い、と感じる。「今は、一生懸命打ち込むことが難しい時代。誘惑も多いし」。だからこそ「自分がぶれず、打ち込めるものはこれだ、と言い