中国農業が悲鳴を上げている。土と水の汚染、担い手である農民の疲弊は、国内消費量の20%に当たる野菜を中国からの輸入に頼る日本にとって他人事ではない。 『農民も土も水も悲惨な中国農業』(朝日新書)を上梓した愛知大学の高橋五郎教授は徹底した農村調査で中国農業の病理を浮き彫りにしている。現地の農民と語り、土や水に触れる異色の学者に中国農業の現状を聞いた。 ―― 残留農薬をはじめ、中国の農産物の危険性を指摘するものは少なくありませんが、その中でも『農民も土も水も悲惨な中国農業』(朝日新書)は、農村調査に基づく徹底したルポルタージュという点でかなり趣が異なります。中国農業の危険性に関するニュースを理解するためにも、先生が見てきたお話を伺えないでしょうか。 「おふくろの味」ではなく「袋の味」が幅を利かす日本 高橋五郎(たかはし・ごろう)氏 1948年新潟県生まれ。愛知大学法経学部卒、千葉大学大学院博士
もう1つは、コストが経営者の思惑通りに下がらなかったからだ(ちなみに、この2つの体質は2008年まで一向に改善されず、ついには致命傷となった)。2005年、GMは北米12拠点の閉鎖と3万人の人員削減を実施した。この結果、粗利率は4.8%から9%に上昇したが、2007年には再び8%に低下した(トヨタは18%)。労働組合が強いため、賃金カットはままならず、しかも休職中の従業員に対して所得を補償する米自動車業界特有の慣行がある。さらに、年金や退職者に対する医療費も負担しなくてはならない。 続きを読む 債務超過と退職給付債務の二重苦 ちなみに、時間当たり人件費はGM工場従業員78.21ドルに対して、トヨタ自動車の米国工場従業員47.6ドル。GMの時間単価が高いのは、福利厚生費としての年金・医療費負担(約50ドル)が含まれているからだ。 こうした事情で人件費は簡単には減少しない。生産縮小による工場稼
渡辺 治(わたなべ・おさむ)氏 一橋大学大学院社会学研究科教授 1947年生まれ。東京大学法学部卒、東京大学社会科学研究所助教授を経て、1990年から一橋大学教授。著書に『安倍政権論』(旬報社)(旬報社)など。 渡辺治教授 福田康夫政権は、米国や日本の財界などから、2つの課題を突きつけられていました。その1つは構造改革によってグローバル企業の競争力回復と、グローバル市場秩序の維持を目指す新自由主義の改革です。 これは企業の競争力を阻害する規制や制度を撤廃・緩和して、競争力を回復させることで経済発展を促すという考え方です。1990年代初頭から日本が取り組みを求められていた問題で、特段、新しいことではありません。しかし、規制緩和推進派の小泉純一郎政権以降、米国や財界などにはそのねじが緩んでしまったように見えているはずです。 もう1つは、イラクやアフガニスタンなどへの自衛隊の海外派遣などで軍事的
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