未来を描いたSFは、しばしばその中での描写が現実を的確に予想し、人々を驚かせます…その一方で、実際に劇中の年代が来た時既に廃れたり変わったりしている「描かれた時代の風俗や常識」が未来にのこっています(笑)。 それもまた未来SFの魅力だと思いますが、実際に1980年代末に、90年代末の近未来東京を想像で描く「機動警察パトレイバー」を執筆したゆうきまさみ氏が、その話題について経験なども交えて語り、他のクリエイターも含めてさまざまな反響がありました。そのまとめです
![SFにおける「未来描写」の限界と時代性~ゆうきまさみ氏らのツイートを中心に](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/60e39f98470c299cac13a271df2d13730adca99d/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fs.togetter.com%2Fogp2%2F25e51aad4eec841b2ae2ce1c5b9dba24-1200x630.png)
既にトークイベントやTwitterなどであれこれ言及しております、まさかの「第1回 クトゥルフ神話検定」の受付が始まっています。試験日は12月1日。3級、2級と初級・中級の試験がありまして、併願も可能とか。 第1回 クトゥルフ神話検定 http://www.kentei-uketsuke.com/cthulhu/introduction.html 企画・運営は日販(日本出版販売株式会社)さん。日販さんはこれまでにサブカル系の検定試験を数多く行ってきたようで、ここ最近のあれこれの動向から「クトゥルー神話の検定もそろそろ……」というお話になった模様です。そこで、拙著『図解 クトゥルフ神話』など、何冊かの関連書を刊行している新紀元社さんに協力依頼が飛び、朱鷺田祐介氏が監修・出題を、『ナイトランド』編集部が公式テキスト制作を−−という流れになったと聞いています。 申し込みページでは3級・2級の練習
本日の日経新聞に、日経「星新一賞」創設の告知が出ました。私(瀬名秀明)も最終選考委員のひとりです。 →日経「星新一賞」のホームページ 私は途中まで、星新一賞の実行委員会の一員でした。 サイエンスコミュニケーション的なノウハウでいうと、告知から最初の3時間でどれだけきちんとした情報が伝わるかが勝負だと思っているので、まだウェブページの内容が完全でないのはちょっと残念でした。それでもこの星新一賞は他にはないとてもユニークな賞になったと思いますし、まずはこの賞を起ち上げるため奔走し、懸命な努力を続けた関係者の皆様に、いまは心から感謝を申し上げたい気持ちです。本当にありがとうございました。 以下、実行委員会ではなく私個人の思いをいくつか書いておきます。文責は瀬名個人にあります。 もともと「星新一賞」のアイデアを思いつかれたのは、小松左京事務所の乙部順子さんでした。いまは休止している「小松左京賞」と
A look back at the life of the Thunderbirds creator. Footage courtesy Thunderbirds/ITC and Century 21 Television Gerry Anderson, the creator of hit TV shows including Thunderbirds, Stingray and Joe 90, has died at the age of 83. He also created Captain Scarlet and the Mysterons and his puppet superheroes fired the imaginations of millions of young viewers in the 1960s and '70s.
1974年に見てきたかのようにネットとパソコンの話をするアーサー・C・クラーク(動画)2012.04.16 19:005,778 satomi タイムトラベラーですか? 『2001年宇宙の旅』(1968年出版)でSF界に不朽の名を残したアーサー・C.・クラーク(Arthur C. Clarke、1917-2008)。これは1974年、豪ABC放送が行ったインタビューの映像ですが、この短い1分半の中でパソコンとインターネットの未来をピターッと予言していますよ。 (動画の訳) 聞き手:『2001年宇宙の旅(2001 A Space Odyssey)』の中で21世紀の未来をいろいろ予言されていますね。息子のジョナサンは2001年には今の僕の歳になってます。たぶん順応できてると思うのですが...どうなんでしょうね? アーサー・C・クラーク:息子さんが大きくなる2001年までには、各家庭に1台コンピ
※岡和田晃によるこの原稿はサイト「21世紀、SF評論」に加筆のうえ収録されたため、削除させていただきました。
お問い合わせがあったので、お答えいたします。 私は今年はロシア関係の企画はやりませんし、いっさい関わらないことにしました。最近決めたわけじゃなくて、今年のSF大会に参加すると決めた時点でもうそう考えていました。 というのも、東欧の人たち(旧ソ連圏内含む)のロシア・ソ連に対する嫌悪感がハンパじゃないので……。中には公的な重い肩書きをもって日本に来ているにもかかわらず、わりとあからさまにロシアに対する嫌悪を表明される方までいらっしゃるんで(もちろん「これは個人的な意見ですが」と前置きした上でだけど)。まさかこれほどとは思っていなかったので、マジびびっているくらいです。 政治的に対立のある国同士ほど、むしろ文化で交流すべきだとは思うのですが、やっぱり東欧諸国の場合、単なる嫌悪というより、「後遺症」という感じなので、どうにも突っ込みがたく……。そもそも「東欧」というくくり自体にはっきり異議を唱えら
まあ、だれも興味ないかも知れませんが、だれも興味を持っていなくても私は持っていますので... アシモフと共にかつてSFビッグ3と言われたロバート・A・ハインライン*1は1988年に亡くなりましたが、彼の追悼としてハインラインの珍しい短編と、スピーチ、他の作家などからの追悼の辞を集めた"Requiem"という本がでています*2。で、そのスピーチの内の一つ、1941年の第3回世界SF大会でのゲスト・オブ・オナーのものを訳す事にしました*3。なぜかって?それはファンとしてはハインラインのプレゼンスの(特に日本での)低下が気になるからだよ!あとまあ、単純にいっても内容も結構興味深いと思いますし(当時のSFファンのマイノリティ意識は根深いなぁ、とも感じますが)。アシモフの翻訳もまだ道半ばなのに、こんな事をするのは、ちょっとアシモフに申し訳ないんですが... なおこのスピーチは本のなかで16ページ強を
S「……みたいなことを、過日某氏と話してまして。その後、数名の方に話してみたらウケがよかったので、こちらにアップすることにしました。もうじきライトノベル・フェスティバルもあることだし。景気づけってことで」 M「あ、そういえば行くんでしたっけ」 S「うん。でも噂によると、午前10時開始らしいんだよ。そんな早朝に起きれないよ!と一人で苦悩してたりして」 M「どこが早朝ですかっ! それより早く三原則を出してください」 S「へいへい。すでにお察しの良い方はお気づきかと思いますが―― ライトノベル・ヒロイン(LNH)の三原則 LNHはいかなる時も主人公を経由して読者を傷つける言動をとってはならない。また、不作為によっても読者を傷つけてはならない。 LNHは前項に反しない限り、主人公を経由して読者の願望に沿わなければならない。 LNHは前2項に反しない限り、主人公を経由して読者に対する貞操を守らなけれ
野阿梓はかつて、「ジャパネスクSF試論」の中で、「「SFは日常性を仮想敵とする文学ジャンル」だとするならば、<日常性>の頂点に存在するのが<天皇制>であることはいうまでもない。この標的を撃たずして、真に日本独自の思想もSFもありえないだろう。」と述べた。 この野阿の宣言に真正面から応えたのが、森岡浩之、最後のSFコンテスト出身作家である。 森岡の出世作《星界の紋章》は、美少女としての天皇、という問題系を提出して見せた。 日本人をベースにした人工種族・アーヴ、とはまさに皇族のアナロジーに他ならないだろう。天皇を美少女=異性人=異星人として発見しなおす、日常性の頂点に位置しながら圧倒的な他者として現前するものとして、フェミニズムSF的な問題意識から捉えなおす。 惑星マーティンとアーヴによる人類帝国とはまた外国からの視線により分裂させられた日本人のイメージであり、これをジントとラフィールの聖婚に
Deborah Kelemenの研究成果は「人間の脳は実装上、創造論を信じるようになっているらしい」ことが示しているようだ。 これは、キリスト教やイスラム教の勢力の弱い日本においても、何らかの形式の創造論を信じる人々がマジョリティになる可能性があることを示唆している。 へぇ。対創造論の本題はちょっと棚に上げておけば、実に面白い。とすると、宇宙の創造者に「盲目で白痴」という属性を付与し、「この宇宙は偶然に何の目的もなく生み出された」とする神話体系を作り上げたラブクラフトってのは、やはりどこか根本的に変わった人だったんだなぁ。クトゥルー神話がこれほどまで広く長くウケるのも、そういう「根本的な心性への挑戦」のせいという部分もあるのかしら。 事前に書影を見てわかってたとはいえ、表紙から帯を外した瞬間のインパクトがすごすぎ。中身の印象が薄れそうだわ。 中身も、きちんと面白いうえに、えらく手慣れて上手
--------------------------------------- 【2008.8.12, 2008.8.15追記】 以下の本文・コメント欄で言及している(飽和)水素水に関して、学術論文の一覧と瀬名の個人見解をまとめました。ぜひ次のエントリーもご覧ください。 →瀬名NEWS: 水素水研究の基本を理解するためのリンク集(2008年8月11日公開) そしてこのリンク集に対して、日本医科大学大学院・加齢医学研究科の太田成男教授から、水素水研究に関して心を動かされる文書をいただきました。許可を得て次のエントリーで紹介しています。こちらもご覧いただければ幸いです。 →瀬名NEWS: 太田成男先生からの手紙(2008年8月15日公開) --------------------------------------- 2刷を謹呈していただいたので読んでみました。香山さんはいつも私の
あと、“文壇”というのだろうか、純文学やら一般文芸やらの構造がわからない。 ラノベなら、大手レーベル3つ*1、中堅レーベル3つ*2、新規レーベルが3つ4つ*3、というのがコアにあって、電撃ハードカバーや富士見のStyle-Fがあって、隣国として講談社ノベルス・BOXやハヤカワみたいなのがあって。という分かりやすい構造になっている。 一般文芸はどうなってんだろう。桜庭一樹や有川浩はいまどのあたりに立っているのか。さっぱりわからんのよなぁ。模式図とかないだろか。 http://d.hatena.ne.jp/sunanotori/20070806/1186327583 説明しよう! ……と、格好よく説明することができれば格好いいのですが、秋山も一人前に語ることができるほど詳しいわけではありません。とは言え、ライトノベルを専門的に読んでいる方に比べたら、すこしは知っているので、自分の知識を整理しつ
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