先月訪れた台湾でのこと。小さいが味は文句なしと評判の北京料理店に行った。通りからガラス越しに見える調理室で、主人が鶏をさばいていた。その手際がなんとも見事で、これなら味も間違いなかろうと期待して店内に入った。 ところが、その主人がちょくちょく姿を消す。どこへ行くのかと注意していると、店外に出て一服しているのである。聞けば、台湾では今年1月から、法令で3人以上が集まる場所での喫煙が禁止されたのだという。 この禁令が徹底していて、タクシーはすべて禁煙車、ホテルは自室でさえ喫煙はNG。日本ではせいぜい、禁煙ルームが用意されている程度だから、嫌煙派の私には国内にいる以上に快適な滞在になった。 帰国して、「日本の現状は」と思いつくまま調べてみた。例えば公共交通機関。JR西日本では7月から関西の主要204駅が全面禁煙になったが、関西の大手私鉄5社はまだ分煙レベル。朝夕のラッシュ時のみ全面禁煙という駅が