ブックマーク / natrom.hatenablog.com (230)

  • 国民皆保険制度がわりとうまくいっていた理由 - NATROMのブログ

    最近では医療崩壊などと言われているが、日の医療制度は高いコストパフォーマンスを誇っていた。いろんな要因があるけれども、その一つに国民皆保険制度があることは確かだ。読者の多くは被保険者として保険料を納め、病院を受診して自己負担分を払っているだろうが、医療従事者でないと、あまり保険者と医療機関の関係について馴染みがないと思う。レセプト審査などを中心に、簡単に国民皆保険制度を解説してみよう。図にするとこんな感じ。 国民皆保険制度 患者さんの立場からだと、「保険料を支払う代わりに、少ない自己負担(だいたいは3割)で診療を受けられる」という制度である。保険料ばかり支払って病院にはかからない元気な方にとっては損しているように見えるが、いざ病気になったときの「保険」である。これだけなら、民間保険でも同じ役割を果たせるのだが、民間が同じことをするとなると、利益を上げるために、医療費のかからない健康な人を

    国民皆保険制度がわりとうまくいっていた理由 - NATROMのブログ
    k-takahashi
    k-takahashi 2009/03/10
     レセプトがうまく機能している場合の説明。
  • 衛生仮説〜不潔な環境がアレルギー性疾患を予防する - NATROMのブログ

    先進諸国において、気管支喘息や花粉症などのアレルギー性疾患が増えているのは、まぎれもない事実である。アレルギー疾患の発症そのものに遺伝的な要因が関与しているのは確かだが、疾患の「増加」については、遺伝では説明できない。複合的な環境要因が関与していると思われるが、衛生仮説といって、「環境が衛生的になり子供のころに感染する機会が減ったことがアレルギー性疾患の増加の原因である」という学説がある。以下で紹介する子供を花粉症にしないための方策は、衛生仮説に基づく。 ■子どもを花粉症にしないための9か条(医療介護CBニュース) 2月23日に横浜市の理研横浜研究所で報道関係者を対象に開かれた「製薬協プレスツアー」(主催=日製薬工業協会)で、谷口センター長は「スギ花粉症ワクチン開発」と題して講演。この中で、▽生後早期にBCGを接種させる▽幼児期からヨーグルトなど乳酸菌飲物を摂取させる▽小児期にはなるべ

    衛生仮説〜不潔な環境がアレルギー性疾患を予防する - NATROMのブログ
    k-takahashi
    k-takahashi 2009/02/24
    『現実的には、「過度に衛生的にならないよう、ほどほどに」というところに落ち着くだろう』 この中庸を皆が出来れば問題は少ないはずなんだけど。
  • 香水の自粛のお願いに化学物質過敏症を持ち出さないほうがいい - NATROMのブログ

    化学物質過敏症は、ごく微量の「化学物質」の曝露により様々な健康障害が引き起こされるとする疾患概念である。朝日新聞が、学校での授業参観の際に、化学物質過敏症の子に配慮して香水を控えてもらう動きについて伝えている。 ■「授業参観、香水控えて」 学校「過敏症の子に配慮を」*1(朝日新聞) 授業参観では、香水やにおいの強い整髪料は控えて――。化学物質過敏症の人たちが学校などの公共の場で被害を受けることがないよう配慮を呼びかける動きが、全国の自治体に広がっている。患者の支援団体によると、千葉、岡山、広島の3県と21市町が、ポスターなどで啓発を進める。とはいえ、化学物質過敏症への認知度はまだ低く、自治体側には表現方法などをめぐって戸惑いもあるようだ。 「子どもによっては、保護者の整髪料や香水などに反応して息が苦しくなるなどのアレルギー症状が出るようです。鼻やのどを刺激するような整髪料や香水を控えていた

    香水の自粛のお願いに化学物質過敏症を持ち出さないほうがいい - NATROMのブログ
    k-takahashi
    k-takahashi 2009/02/16
    『「化学物質過敏症」という言葉は使わない方がいい。わざわざ、医学的に議論のある疾患名を使わずとも、「健康障害」と言っておけば、気管支喘息や、頭痛・気分不良などの症状も』 携帯とペースメーカー第2幕
  • オーリングテストが明らかにした身体に悪いものリスト - NATROMのブログ

    オーリングテスト(バイ・ディジタルO−リングテスト)をご存知だろうか。親指と人差し指をくっつけて"O"の形にし、その筋力の強弱で診断や薬の選択を行う謎の技術である。「日バイ・ディジタル オーリングテスト協会」のページ*1から引用しよう。 バイ・ディジタルO−リングテスト(BDORT)とは、筋の緊張(トーヌス)を利用して生体情報を感知する検査手技 である。BDORTはニューヨーク在住の日人医師大村恵昭博士が1977年頃くらいに考案した方法で、最初の論文が発表されたのが1981年で ある。 「生体そのものが極めて敏感なセンサーで、毒物を近づけたり、体に合わない薬剤を手に持たせたりすると、筋の緊張は低下し、逆に有効な薬剤では緊張が良好に保たれる」という原理に基づいている。 大村教授は、脳の血液循環と握力の関係を研究する過程でBDORTのヒントを発見した。高校生を対象に行われた実験により、脳の

    オーリングテストが明らかにした身体に悪いものリスト - NATROMのブログ
    k-takahashi
    k-takahashi 2009/02/05
     『ここまで対策しても、電波を受信してしまうことを防げないのですから、本当に電波は怖いものですね』 冷静なつっこみがおかしさを増す。
  • 喘息に対するステロイド治療を否定するホメオパシー - NATROMのブログ

    科学的根拠の乏しい代替療法であっても、安価で安全でさえあれば、感冒などの自然治癒する病気や、逆に末期癌のような積極的な治療手段のない病気に(緩和ケアと併用しつつ)使用するのは、私は必ずしも否定しない。しかし、他の有効な治療法の妨げになるようであれば、許容できない。気管支喘息は、適切に治療しなければ死にうる病気である。気管支喘息について、標準的医療を否定し、根拠の乏しい代替療法を勧めるのは殺人に相当する行為である。由井寅子が学長を務めるThe Japan Royal Academy of Homoepathyのサイト*1より。 タイトル: 息苦しくなった時に喘息系の色々なレメディーを飲んでもなかなかヒットせずあまりの苦しさに気管支拡張剤を使ってしまう・・・というパターンが多いです。 記事No: 2404 投稿日: 2008/11/13(Thu) 01:15 投稿者: 女性・33・福岡県・一般

    喘息に対するステロイド治療を否定するホメオパシー - NATROMのブログ
    k-takahashi
    k-takahashi 2009/02/02
    『医師に必要だと判断されたら吸入ステロイドをきちんと使用してください。とくに、あなたの子どもが病気であるのならなおさらです。あなたが守ってあげないといけません』
  • インフォームドコンセントのコスト - NATROMのブログ

    数年前のことである。あるメーリングリストに入っていたのであるが、その参加者の1人が、医師批判の投稿をした。詳細は変更してあるが、概ね以下のようなものだ。 身内が癌になり、余命数ヵ月と診断された。あちこちの病院にまわったが、どの医師も「治らない」「ホスピスを探してください」と口を揃えて言う。「エビデンス」がある治療法がないなら、「死ね」というのが今の医者だ。最後まであきらめず努力をするという姿勢がない。だから、患者は自ら治療法を探して、詐欺まがいのインチキ代替療法に引っかかるのだ。 詳しく病状を聞くに、どの医師も「ホスピスを探せ」と言うのももっともな病状である。「言い方がまずい」という批判ならともかく、セカンドオピニオン外来で、患者人でなくキーパーソンの家族に、明確に予後と治療方針を言わない方が無責任だ。「最悪の転帰をたどる可能性があります」などと曖昧な説明していたら、「最悪の可能性とは聞

    インフォームドコンセントのコスト - NATROMのブログ
    k-takahashi
    k-takahashi 2009/01/23
    『唯一の正解の選択肢がない場合は患者が選択できるというのは大きな利点である。しかし、明らかに間違った選択肢というものもある』
  • 「水からの伝言」は科学を自称していないから疑似科学ではない? - NATROMのブログ

    疑似科学(ニセ科学)は「科学であるように見せかけていながら、科学ではないもの」をいう。血液型性格診断、マイナスイオン、水からの伝言、ゲーム脳、EM菌などが、疑似科学の例として挙げられることが多い。疑似科学に対してさまざまな批判がなされているが、この疑似科学批判に対してさらに批判がなされることがある。いわゆる疑似科学批判批判である。疑似科学批判の中に不適切なものや行き過ぎたものもあるだろう。そういうものに対する批判は別にかまわない。ただ、疑似科学批判批判には的外れなものが多いように私には思われる。たとえば、こんな具合。 ■詭弁者(Interdisciplinary)のコメント欄のtittonさんの発言より > 「なぜ水伝は擬似科学では無いか」もよろしく。 だから水伝は(少なくとも最近の水伝は)科学を自称していない。科学でないと明言さえしている。科学を自称していないものを疑似科学と呼ぶなら宗教

    k-takahashi
    k-takahashi 2009/01/19
    『江本氏は二枚舌なだけ。疑似科学だと批判されたら、「いやいやこれはポエムですから。科学なんて自称していませんよ」と逃げつつ、一方では「科学的な手順を守った実験で証明されましたよ」と宣伝している』
  • 謝罪とミスを認めることは異なる - NATROMのブログ

    ■腹水穿刺後の死亡についての記事比較の続報。 ■「病院はミスを認めていた」遺族の悲痛な訴え(MBSニュース) 患者は重度の肝硬変で入院していた35歳の女性で、腹部に大量に溜まった水を針を刺して抜く治療を受けました。 治療したのは20代の研修医。 1度目は失敗し、2度目でおよそ1.5リットルの水を抜きましたが、その後女性が腹痛を訴え、皮下出血を起こしていたことがわかりました。 しかし病院はすぐに血を止める治療を行なわず、数日後、輸血をしましたが、女性は先月16日、出血性ショックで死亡しました。 「娘が『失敗された、痛かった』と言ったから。『失敗したんでしょ』と言ったら『はい』って」(亡くなった女性の母親) 不審に思った家族は病院に説明を求めます。 そのとき病院側は結果的に病状を悪化させたと謝罪しました。 「出血に対して十分な対応を結果的にしていなかった。甘く見ていたんだと思う」(女性の主治医

    謝罪とミスを認めることは異なる - NATROMのブログ
    k-takahashi
    k-takahashi 2009/01/10
    『謝罪も、「共感表明謝罪」と「責任承認謝罪」とがあり、過失が明らかでなくても「共感表明謝罪」を行うべきだそうだ』『言葉をかなり慎重に選ばないと、誤解を引き起こしうる』 そして悪徳弁護士の餌食になる
  • アクセスフリーの弊害 - NATROMのブログ

    地方の中核病院に勤務していたころのこと。その病院は基的には外来は午前中のみで、午後は急患のみ受け付けるようになっていた。救急専門の医師なんていないので、午後の急患当番を曜日ごとに決めていた。医師は不足気味であったので、午前外来・午後急患当番なんて曜日もあり、大物が飛び込んでくると入院患者さんを診る暇もなかった。 とある午後、20歳男性の頭痛の患者さんが来たと外来から連絡があった。なんでも、当日の午前中に別の医院に受診して薬も処方されたが、検査希望とのこと。紹介状なし。これがたとえば心肺停止であったら、とにかく今やっている仕事は全部中断して駆けつけるのであるが、急患ではなさそう。受け付けた以上は診ないわけにもいかないし、とりあえず仕事が一段落するまで待ってもらえと伝えた。30〜40分ぐらいしたら今度は脳外科の先生から、「頭部CTを撮ったけれども異常なし。内科的疾患だと思う。よろしく」と連絡

    アクセスフリーの弊害 - NATROMのブログ
    k-takahashi
    k-takahashi 2009/01/06
    『医学的には意味のない「安心」のため、医療費が無駄に使われている。この無駄を無くすには、何らかのアクセス制限―たとえば紹介状が無い急患は断っていいというルールなど―が必要』安心は高価、を周知できるか?
  • 2級医師資格は医療費を抑制しうるか? - NATROMのブログ

    医療コスト削減対策として、「2級医師あるいは准医師といった資格をつくり、簡単な病気は2級医師が診ればよい」という主張をときに見かける。「医師会が既得権益を守るために反対している」という主張とセットになっていることが多い。典型的には、森永卓郎による■資格医師の数を増やして医療コストを削減せよ(日経BP社)。 例えば、こうしてみたらどうだろうか。建築士と同じように、医師の資格も1級と2級に分けて仕事を分担するのである。 確かに、先端医療の場合には、高度な知識や技術が必要なことはわかる。しかし、中高年やお年寄りに多い慢性疾患の場合は、さほど高度な医療判断が必要だとは思えない。極端なことを言えば、医者は話の聞き役にまわればよく、出す答えもほぼ決まりきったもののことが多い。もし、手に負えない症状であったり、急性疾患の疑いがあれば大病院にまわせばいい。 そこで重要になってくるのは、先端医療技術よりもコ

    2級医師資格は医療費を抑制しうるか? - NATROMのブログ
    k-takahashi
    k-takahashi 2009/01/04
    『なんらかのアクセス制限とセットでなければ、2級医師制度はうまくいかない。医療の質も保証されない。要するに、2級医師制度でコストを削減しようとするなら、アクセスと医療の質が犠牲になりますよという話』
  • グールドも蔑まれた - NATROMのブログ

    ■「勉強ができる」という蔑称(理系兼業主婦日記)を読んで思い出したのが、スティーヴン・ジェイ・グールド(優れた科学エッセイを書いたことでも有名な進化生物学者)の「恐竜の効用」というエッセイ。ちなみに、グールドはアメリカ人でニューヨーク育ち。「頭のいい」子供が苦労するのは、日だけではないようで。 ■がんばれカミナリ竜〈上〉(早川書房) スティーヴン・ジェイ グールド (著) 子どもの文化は無残で、すさまじく反知性的になることがある。私が生き残れたのは、悪口の対象となっても絶望せず、ベースボールに関する知識でいくぶんかの尊敬を勝ちとったからである。しかし、科学に知的情熱を燃やす子どもは、うすのろとか、かたぶつとか、まぬけとか、とんまとか、奇人変人にされてしまう(どんな言葉がそのときよく使われていたか覚えていないが、残酷で独特の呼び方の一つがいつも流行っていた)。私は多くのクラスメイトから、変

    グールドも蔑まれた - NATROMのブログ
    k-takahashi
    k-takahashi 2008/12/30
    『阿呆なヤンキーどもと距離がおけた。奴らは本のたくさんあるところには近寄らないという習性がある』『私に友人や図書室という逃げ場があったのはたまたまの幸運』 これだけでも図書館(室)の存在は正当化できる
  • あらゆる可能性を考慮した診療・検査は不可能だ - NATROMのブログ

    杏林大医学部付属病院における割り箸事件について、医師の無罪が確定した高裁判決を伝えた以下の記事に、「どう見ても医者に過失があると思う」というブックマークコメントをid:nicenikoさんがつけたのが議論の始まり。 ■男児割りばし死亡事件、医師の無罪確定へ(朝日) 東京都杉並区で99年、割りばしがのどに刺さった杉野隼三(しゅんぞう)ちゃん(当時4)が受診後に死亡した事件で、東京高検は2日、業務上過失致死罪に問われた医師根英樹被告(40)を無罪とした東京高裁判決について上告を断念する方針を決めた。判例違反などの適法な上告理由が見当たらないと判断したとみられる。根医師の無罪が確定する。 高裁は11月20日、根医師に過失はなかったと判断し、一審・東京地裁の無罪判決を支持して検察側の控訴を棄却する判決を言い渡した。 高裁判決では「医師に過失なし」。ちなみに地裁判決では、「過失ありだが死亡との

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    k-takahashi 2008/12/12
    『遺族が見落とした医師を批判するのは仕方ない。しかし、標準的な医療を行なってもたまたま結果が悪かったとき、最高の医療を受けていれば助かったはずだからと刑事罰を受けるようになれば、医師は医療ができない』
  • 化学物質過敏症の女性に障害年金支給 - NATROMのブログ

    化学物質過敏症は、微量の「化学物質」に対してさまざまな臨床症状を引き起こすとされている疾患である。「とされている」としたのは、当に微量の化学物質によって症状が引き起こされているかどうか不明だからだ。原理的には盲検下で負荷テストを行えば証明可能であるはずだが、化学物質過敏症の患者がプラセボ(症状を誘発する「化学物質」なしのガス)によって症状が生じるという複数の報告がある。これは、化学物質過敏症とされる患者の一部は、「化学物質」の暴露ではなく、心理的要因によって症状が誘発されうることを示している。詳細については、■化学物質過敏症に関する覚え書きで述べた。さて、化学物質過敏症の女性が、「障害等級2級」と認定され、月額約6万6000円の障害基礎年金を受給できることになったというニュースが報道された。 ■化学物質過敏症:31歳女性に年金支給 障害2級と認定(毎日) 微量の化学物質に反応して体調を崩

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    k-takahashi 2008/12/07
    『かような根拠のない数字が広まった原因は毎日新聞による報道であろう』
  • 「たらい回し」と書くな - NATROMのブログ

    ■<患者たらい回し>自宅で早産の未熟児 7病院に断られ数日後に死亡(12月2日12時24分配信 毎日新聞) 札幌市の女性が自宅で早産した未熟児が昨年11月、七つの病院に「満床」などの理由で受け入れを断られ、119番通報から約1時間半後、新生児集中治療室(NICU)のない病院に運ばれ、数日後に死亡していたことが分かった。札幌市病院局の野崎清史経営管理部長は「結果的に亡くなられたことは残念。大変、申し訳ない」と陳謝し、受け入れ態勢に問題があったことを認めた。 市などによると、女性は昨年11月15日深夜、自宅で未熟児を早産し、未熟児は救急車で運ばれた。救急隊が病院を探したものの、NICUを備えた市立札幌病院、北大病院、札幌医大付属病院など5病院と、NICUのない2病院が「満床」「別の患者の治療中」などを理由に受け入れを断った。8カ所目の手稲渓仁会病院(同市手稲区)が受け入れるまでに約1時間半かか

    「たらい回し」と書くな - NATROMのブログ
    k-takahashi
    k-takahashi 2008/12/02
    『「受け入れ不能」と書けば、医療崩壊について知識のない読者も、「なぜ受け入れ不能だったのか?」と考える』『「たらい回し」と書くマスコミが存在し続ける限り、今後も、同様の事件は起こり続ける』
  • マネジメントの神様による医療経営セミナー - NATROMのブログ

    しばしば、医療機関の経営不振を医療者の怠慢のせいにされる。「単純に経営が下手」「胡座をかいて赤字体質も平気のまま」などと言われたこともある。だが、経営努力をしていないわけではない。以前勤務していた病院では、医局に「先週の病床利用率○○%、目標は××%」と張り紙がしてあり、だいたい目標が95%くらいだった。病床利用率とは大雑把に言うと、ベッド数あたりの入院患者数で、100%に近ければ近いほどベッドが効率的に利用されていることになる。病床利用率が下がると、院長が朝礼ではっぱをかけていた。ちなみに、かの病院では、最近の病床利用率は80%後半で赤字とのことだ。 病床利用率を上げるために空きベッドを少なくすると満床となりやすく、救急患者が「受け入れ困難」になってしまう。これは救急病院だけではなく、慢性期を診る病院の問題でもある。救急病院に空きベッドをつくるには、病状が落ち着いた患者さんにはすみやかに

    マネジメントの神様による医療経営セミナー - NATROMのブログ
    k-takahashi
    k-takahashi 2008/11/30
    『海外では病床利用率80%とは、常時満室状態で成功例として講演できるようなことなのですよ。海外と比較すると、日本の医師に社会的常識がかなり欠落していることがよくわかる』
  • 「所さんの目がテン!」で血液型を科学してた - NATROMのブログ

    「mixiのもういいよ血液型」コミュ*1経由で、「所さんの目がテン!」が血液型を扱うという情報を手に入れた。事前の情報ではちょっと不安が漂う。 ■はやく知りたい!次回の目がテン! “病気に強い血液型発見(仮)” (2008年10月19日放送予定)*2 (魚拓) 最近、血液型別の性格判断がベストセラーとなり、再びブームとなっているのが血液型。 A型は「几帳面」、B型は「自己中心的」、O型は「大雑把」、AB型は「気分屋」。実はこの血液型性格判断の歴史は古く、昭和2年の心理学の研究論文によるもので、現在ではおよそ8割の人が血液型の違いによって性格や行動パターンが違うと信じているほどです。 果たして、当に血液型と性格には、関係性があるのでしょうか。そこで保育園児に協力してもらい、それぞれの血液型別に行動を観察します。すると、想像を上回る面白い結果が次々と明らかに! 録画して見てみたが、まあまあ

    「所さんの目がテン!」で血液型を科学してた - NATROMのブログ
    k-takahashi
    k-takahashi 2008/10/21
    『細部に問題はあるものの十分合格点だ。比べるのも失礼であるが、「あるある大辞典」などと比較すると格段にマシである』
  • 動画由来のトンデモが今後のトレンドになるかも - NATROMのブログ

    話題になっている神舟7号映像捏造説。このっ、バカ共が!(松浦晋也のL/D)を初めとして詳細な検討がなされている。いまさらながら、ニコニコ動画の「中国の「神舟7号」の船外活動の映像の中に・・・泡が?」を見てきた。10万再生。VOCALOIDなら殿堂入り。 いやー、予備知識なしで見たら、「泡だ」と思ってしまったかもしれない。しかし松浦晋也のL/Dの■神舟7号における、船外活動の画像に関するFAQ(よくある質問と答え)RC1「中国初の船外活動を、捏造とする決定的証拠は動画像中に見いだすことはできない」とのことである。きくちさん@kikulogが既に指摘されているが*1、「911自作自演説」とよく似ている。 前に千島学説を批判したときに、千島学説の信者でもある人が911陰謀論者でもあったため、トンデモさんに「ルース・チェンジを見ろ」としつこく言われた。「ルースチェンジ」とは、「911事件の公式発表

    動画由来のトンデモが今後のトレンドになるかも - NATROMのブログ
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    k-takahashi 2008/10/07
     いままで、新聞・書籍でやられていたことがブログにも広がり、テレビでやられたいたことがYouTube・ニコ動に広がってきた。いずれも、マスゴミよりはウェブの方がましなのが救い
  • 「死ぬこともある」と説明すべきか - NATROMの日記

    昨今、医師は十分な説明を行うことを期待されているが、一方でネガティブな情報については説明して欲しくないという意見もある。「福岡県医報」という雑誌に、「ジャーナリストからの風」というコラムがある。医療関係の取材を行ったマスコミ関係者が、医療従事者向けに書いたものだ。平成20年8月号、No.1386より、NHK福岡放送局の椿直人記者による「『医療は不確実』だとしても…」より引用する。 「ジャーナリストからの風」 3年前、当時4歳だった次男が、急性腸炎で緊急入院した。出張中だった私は、帰宅後すぐに見舞いに駆けつけ、担当医師の説明を聞いた。「点滴で数値を下げようとしているが、なかなか下がらない。最悪の場合、腹膜炎を起こして死亡することもある」。医師の説明に冷静さを失いそうになりながらも、原因を尋ねたところ、「原因よりも治療を優先する」とのことで、ますます不安が募ったのを覚えている。当時、面会時間が

    「死ぬこともある」と説明すべきか - NATROMの日記
    k-takahashi
    k-takahashi 2008/09/30
    『医療現場の取材を行い、医師会に勉強会に招かれたこともある「ジャーナリスト」ですら、医師向けの雑誌に「死ぬこともある」とは言ってほしくなかったと書く』『ジャーナリストの目線ではなく、完全に家族の目線』
  • 臨床を教科書レベルに上げてもらわねば困る - NATROMのブログ

    近年、ようやく医療の限界についてマスコミ各社の理解も進んで来たかのように見えるが、それでも十分とはとても言えない。西日新聞の2008年9月13日夕刊に大野病院事件についてのコラムが載った。まず、およそ20年前の福岡県内の公立病院で癒着胎盤のため大量出血で死亡したケースで、民事訴訟で最高裁まで争ったケースを紹介する。20年前は「癒着胎盤はまれなケースだから、医師の過失はない」という理由で遺族の請求は認められなかった。その後、大野病院事件について述べる。 この間、医学は進み、書物に癒着胎盤の記載が増えていた。帝王切開が増え癒着胎盤が増えているからである。医学生向けの「標準産科婦人科学」には「帝王切開の既往があり癒着胎盤が疑われる場合は、輸血確保の容易な輸血部がある施設で、麻酔医の管理下で帝王切開を行わなければならない。胎盤剥離で剥がれない場合や止血不能例では直ちに子宮全摘を行う」とある。 今

    臨床を教科書レベルに上げてもらわねば困る - NATROMのブログ
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    k-takahashi 2008/09/16
    『剥がしはじめてからはじめて癒着胎盤とわかったときにどうするかは教科書には書いてないというわけ。教科書には書いていないのだから、「教科書通りには処置されなかった」とは言えない』
  • 事故米のアフラトキシンによる肝癌のリスクを大雑把に計算してみた - NATROMのブログ

    の肝細胞癌の主な原因がC型肝炎ウイルスであること、C型肝炎ウイルスの感染率が西高東低のパターンを取ることを知っていれば、「肝臓がん患者は事故米が流通し始めた10年前から西日を中心に爆発的に増加中」という主張がデマであることはすぐにわかる。これは前回のエントリー、■有害米と肝臓癌死亡数の増加は無関係で指摘した通りである。日のアフラトキシンB1(以降単にアフラトキシンとする)の基準値が10 ppbで、事故米のアフラトキシン濃度が20 ppb(=0.02 ppm)だと言うから、その程度でこれほど広範囲の健康障害が生じるわけがないと常識的にも判断できる。 ただ、がん死亡率のグラフで見えるほどの影響はないとしても、事故米中のアフラトキシンによる肝癌発症はありうるのではないかと考えた。アフラトキシンがヒトの肝癌発症のリスクとなるのはれっきとした事実である。アフラトキシンの発癌性に、閾値すなわち

    事故米のアフラトキシンによる肝癌のリスクを大雑把に計算してみた - NATROMのブログ
    k-takahashi
    k-takahashi 2008/09/11
    『事故米中のアフラトキシンによる肝癌発症はありうるのではないかと考えた』