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  • 2021年に刊行され、おもしろかったノンフィクションを振り返る - 基本読書

    2021年も終わろうとしているので、今年刊行されたの中でも特におもしろかった・記憶に残ったノンフィクションを振り返っていこうかと。昨年に引き続き今年もの雑誌の新刊ノンフィクションガイドを担当していたので、冊数はノンフィクションだけで200冊ぐらいは(数えているわけではないけど)読んでいるはず。 とはいえ、無限にピックアップしても仕方ないので、10冊目安に紹介していこう。 まずは科学書から 彼らはどこにいるのか 地球外知的生命をめぐる最新科学 作者:キース・クーパー河出書房新社Amazon科学系のノンフィクションの中でも宇宙系から取り上げていくと、まず紹介したいのはキース・クーパーによる『彼らはどこにいるのか: 地球外知的生命をめぐる最新科学』。今年は中国最大のファーストコンタクトSF『三体』三部作が完結し、年末に邦訳が刊行されたアンディ・ウィアー最新作もファーストコンタクトSFの傑作で

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    k-yakou 2021/12/22
  • 11月になったので今月読もうと思っているおもしろそうな本を紹介する - 基本読書

    11月になったので今月読もうと思っている(の一部)を紹介しようと思う。別の記事を書いていた(異常論文アンソロジーの『異常論文』)のだけどあまりに重くて疲れ果ててしまったので別の文章を息抜きに書きたくなったのだ。 「これから読む」なので、当然まだ読んでいない。完全に憶測でおもしろそうと思ったたちであり、特におすすめというわけではない。なぜ読みたいと思ったのかを書く。主に10月後半刊、11月刊行予定のもの。 小説 2084年報告書: 地球温暖化の口述記録 作者:ジェームズ・ローレンス・パウエル国書刊行会Amazon最初はSF関連からいくが、ジェームズ・ローレンス・パウエル『2084年報告書: 地球温暖化の口述記録』(国書刊行会)がおもしろそう。著者は職の地質学者でレーガン、ブッシュ政権下での仕事もあるなどけっこうな重鎮だが、作はSFらしい。 先月はギリシャの経済学者にして政治家のヤニ

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    k-yakou 2021/11/13
    “世界は「関係」でできている: 美しくも過激な量子論作者:カルロ・ロヴェッリNHK出版”
  • 二人組の作家エラリー・クイーンがどのように小説を書いてきたのか、その愛憎入り交じった過程について──『エラリー・クイーン 創作の秘密』 - 基本読書

    エラリー・クイーン 創作の秘密: 往復書簡1947-1950年 作者:ジョゼフ・グッドリッチ国書刊行会Amazonこの『エラリー・クイーン 創作の秘密』は、二人組の小説家であった伝説的ミステリ作家エラリー・クイーンの執筆が具体的にどのように成し遂げられてきたのかを、主に1947年から1950年の間の往復書簡から浮かび上がらせた一冊である。国書刊行会からは以前、別著者ではあるが評伝『エラリー・クイーン 推理の芸術』が出ているが、今回の『創作の秘密』とは装丁も同趣向であり、実質姉妹編のような形になる。 僕にとってクイーンはミステリ作家の中でも最上位に好きな方の作家なので、発売日に買って期待して読み始めたのだけど、めちゃくちゃおもしろくて一気に最後まで読み切ってしまった。二人が物語を創り上げる過程は平穏なものではなく、お互いを受け入れられず、強く非難し、説教し、脅し、とまあよくこれでまだ縁を切ら

    二人組の作家エラリー・クイーンがどのように小説を書いてきたのか、その愛憎入り交じった過程について──『エラリー・クイーン 創作の秘密』 - 基本読書
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    k-yakou 2021/06/11
  • パワードスーツ、強化アーマー、遠隔操縦人型兵器の短編を集めた垂涎のSFアンソロジー!──『この地獄の片隅に パワードスーツSF傑作選』 - 基本読書

    この地獄の片隅に パワードスーツSF傑作選 (創元SF文庫) 作者:J・J・アダムズ発売日: 2021/03/11メディア: Kindle版この『この地獄の片隅に パワードスーツSF傑作選』は、その名の通りパワードスーツ物を集めた特殊テーマ・アンソロジー。パワードスーツ物とはなにかといえば、『宇宙の戦士』を筆頭に、人間が着込むことによって超人的な力を発揮するもの、というあたりになるだろう。現実にもすでに多数存在する他にも、人型のロボットを遠隔操縦するのもこれに近いジャンルとなり、SFではよく見かけるガジェットだ。 原書刊行は2012年で、23編ある中から訳者の中原尚哉氏によって12編が選ばれている。だいぶ減っているが、一編約30ページ、総計で400ページ近くあって、ボリューミー。パワードスーツ・アンソロジーと聞いてすぐにおもしろそうだな、と思った一方で、そんなにパワードスーツでネタがあるの

    パワードスーツ、強化アーマー、遠隔操縦人型兵器の短編を集めた垂涎のSFアンソロジー!──『この地獄の片隅に パワードスーツSF傑作選』 - 基本読書
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    k-yakou 2021/03/22
  • 東浩紀による自伝的経営奮闘記──『ゲンロン戦記-「知の観客」をつくる』 - 基本読書

    ゲンロン戦記 「知の観客」をつくる (中公新書ラクレ) 作者:東浩紀発売日: 2020/12/11メディア: Kindle版この『ゲンロン戦記』は、ゲンロンという、SF作家養成や批評家養成スクールを開いたり、批評家や作家や哲学者らの対談イベントを自前のカフェで開いたり配信したりして利益を出している小さな会社を経営していた東浩紀氏の自伝的奮闘記である。経営であるというと基的には大成功を収めた人がその華々しい経歴やその経営哲学を語るものだが、作で描かれていくのは無残な失敗の連続だ。 それも、「それならしょうがねえよな」と同情してしまう失敗、というより理念や理想が先行してそのうえ行動力も伴っているがゆえに実態がまるで追いつかず、「そんなことやっているんですか……」と絶句してしまうような失敗が多。それを真摯に反省し、なんとかしようと奮闘し、また同じような失敗をして落ち込む……という繰り返しが

    東浩紀による自伝的経営奮闘記──『ゲンロン戦記-「知の観客」をつくる』 - 基本読書
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    k-yakou 2021/01/13
  • 10年代SF傑作選から『サハリン島』まで、多数の傑作SFが刊行されたてんこ盛りな2020年を振り返る - 基本読書

    アンソロジーが記憶に残った年 今年を振り返って記憶に残ったのは、やはり10年という区切りの年だったこともあってか優れたアンソロジーが多数刊行されたこと。たとえば、『なめらかな世界と、その敵』の伴名練が編者に入った『2010年代SF傑作選1・2』(大森望・伴名練編)は野崎まどの笑撃作「第五の地平」から小川一水による数学SFの傑作「アリスマ王の愛した魔物」、ベテランから新鋭まで幅広く取り揃えたアンソロジーだ。 2010年代海外SF傑作選 (ハヤカワ文庫SF) 作者:ピーター トライアス,郝 景芳,アナリー ニューイッツ,ピーター ワッツ,サム・J ミラー,チャールズ ユウ,ケン リュウ,陳 楸帆,チャイナ ミエヴィル,カリン ティドベック,テッド チャン発売日: 2020/12/17メディア: 文庫今年は海外編も前回の年代別傑作選から十八年ぶりに『2000年代海外SF傑作選』、『2010年代海

    10年代SF傑作選から『サハリン島』まで、多数の傑作SFが刊行されたてんこ盛りな2020年を振り返る - 基本読書
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    k-yakou 2021/01/10
  • ヒューゴー賞を三年連続で受賞し、荘厳なアートワークで圧倒する化け物級のエピック・ファンタジィ・コミック──『モンストレス』 - 基本読書

    モンストレス vol.1:AWAKENING (G-NOVELS) 作者: マージョリー・リュウ出版社/メーカー: 誠文堂新光社発売日: 2017/12/22メディア: Kindle版この商品を含むブログを見るこの『モンストレス』はいわゆるアメリカン・コミックで、中国アメリカ人のマージョリー・リュウが原作、日人のタケダサナが作画をそれぞれ担当して、現在も刊行が続いているファンタジィ・シリーズである。最新刊は現状三巻まで。 で、一巻が出た頃から話題になっていたのだが、その後の快進撃が凄い。その年のヒューゴー賞のグラフィックストーリー部門を受賞。アイズナー賞、英国幻想文学大賞など数々の栄誉ある賞を獲得し続け、話題はその後も継続し続けている。たとえばヒューゴー賞は、3年連続(2017、18、19)で受賞、18年についてはグラフィックストーリー部門とプロアーティスト部門で原作者と作画者が同時受

    ヒューゴー賞を三年連続で受賞し、荘厳なアートワークで圧倒する化け物級のエピック・ファンタジィ・コミック──『モンストレス』 - 基本読書
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    k-yakou 2019/09/22
  • 『三体』読了者は同著者原作の『流転の地球』も観るべし - 基本読書

    三体 作者: 劉慈欣出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2019/07/04メディア: Kindle版この商品を含むブログを見る『三体』を読了した流れで、劉慈欣の短篇「さまよえる地球(原題:流浪地球)」が原作となっている『流転の地球』をNetflixで観たのだけれども、これがもうたまげるぐらいにおもしろかった。映画は世界で7億ドル超え、(ただ6億ぐらいが中国らしい)とその興収の規模も凄いが、とにかく話のスケールがとてつもなくデカい。 huyukiitoichi.hatenadiary.jp 何しろ、2060年ぐらいの未来を舞台に、太陽が予定より数百億年早く燃え尽きようとしており、100年後には地球を飲み込んでしまう! ⇛ このままでは人類破滅だ! ⇛じゃあ地球の赤道にそってエンジンを設置してまるごと別の恒星系に移動させよう! そのあいだ人間は地下な! みたいなスピーディな展開が冒頭のわず

    『三体』読了者は同著者原作の『流転の地球』も観るべし - 基本読書
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    k-yakou 2019/07/17
  • 中国だけで2100万部、話題性と本物のおもしろさを兼ね揃えたバケモノ級の中国SF──『三体』 - 基本読書

    三体 (ハヤカワ文庫SF) 作者:劉 慈欣早川書房Amazon『三体』とは! 中国の作家劉慈欣によって書かれたSF三部作の第一部目にして、中国国内だけで三部作累計2100万部を刊行し、さらに日でも人気のケン・リュウによる翻訳によってアメリカ歴史あるヒューゴー賞を受賞した傑作である。ヒューゴー賞受賞の何が凄いかと言うと、翻訳書としてははじめてのの受賞になるのだ。 それぐらい作品の内容が圧倒していたともいえる。で、あまりSFとは縁のなさそうなオバマやザッカーバーグも絶賛していたりとか、アニメ化が決定したりとか話題は尽きないんだけれども、とにもかくにもこれだけは覚えて帰ってもらいたいのは、この『三体』は、話題先行の内容はまあおもしろいね、いうほどじゃないけど的な軟弱な態度で読み終わる作品ではなく、その肥大化しきっているともいえる話題性に劣らない、圧倒的なおもしろさのある、純粋におもしろいSF

    中国だけで2100万部、話題性と本物のおもしろさを兼ね揃えたバケモノ級の中国SF──『三体』 - 基本読書
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    k-yakou 2019/07/08
    “思わず走り出したくなるような、原初的なおもしろさに満ちた傑作なのである。”
  • いかにしてNETFLIXは今のような企業になったのか?──『NETFLIX コンテンツ帝国の野望―GAFAを超える最強IT企業―』 - 基本読書

    NETFLIX コンテンツ帝国の野望 :GAFAを超える最強IT企業 作者: ジーナ・キーティング,牧野洋出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2019/06/26メディア: 単行(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る何年か前から、Neftlixに加入し続けている。観たいアニメが配信されているし、映画もぱんぱか追加されるし、特にこの1〜2年のことだがオリジナルの映像コンテンツが豊富で、ちと時間が余ったし、なんかみるかな、という時に観るものに困らない。フィクションだけでなくドキュメンタリー系のものが配信され/オリジナルのコンテンツを作ってくれているのもありがたく、値段が上がっても毎月課金し続けている。 日からみていると、Neftlixは洗練されたアルゴリズムと品揃え、絶え間なく投入されるアホみたいに金のかかったオリジナル番組たちに支えられ、映像配信世界の王といった感じの企業である。がし

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    k-yakou 2019/06/28
  • 終わりなきモルヒネとしての量的金融緩和──『中央銀行の罪 市場を操るペテンの内幕』 - 基本読書

    中央銀行の罪 市場を操るペテンの内幕 作者: ノミプリンス出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2019/06/06メディア: Kindle版この商品を含むブログを見る今の経済は僕にとっては複雑すぎる。デフレが続けば消費をしなくなって結果的に景気が後退するから、金利を引き下げて投資や消費を促し、それでもダメなら量的緩和だ、というのは理屈としては理解できるが、かといってその単純な理屈のままに実体経済に供給された金が反映されるわけではない(単純にやり方がまずいのもあるが)。 低金利は確かに人々を投資に駆り立てる効果があるだろうが、それが生産的なものかどうかははっきりとしない。投資が高リスクなものへと向かい、破綻が早まるだけかもしれない。金が供給されたところで、それがきちんと実体経済に反映されるところまで届くのかという問題もある。需要と供給、そこに住む人達の経済に対する認識、リスクに対する意識、

    終わりなきモルヒネとしての量的金融緩和──『中央銀行の罪 市場を操るペテンの内幕』 - 基本読書
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    k-yakou 2019/06/16
    “今の経済は僕にとっては複雑すぎる。”
  • 21世紀の戦争はなぜ、どのように変わったのか──『140字の戦争 SNSが戦場を変えた』 - 基本読書

    140字の戦争 SNSが戦場を変えた 作者: デイヴィッドパトリカラコス出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2019/05/31メディア: Kindle版この商品を含むブログを見るSNS上では常に人々が罵り合っておりまるで戦争状態のようだが、そういう意味での戦場ではなく、実際にウクライナやイスラエルvsハマスといった実在する戦場をいかにSNSが変えたかというレポートである。『これは戦争についてのである。と同時に物語──戦争のナラティブとナラティブの戦争──についてのでもある。』 著者は中東をメインに取材するジャーナリストだが、イスラエルとガザの情勢などを調査・報道するうちにとある大きな変化に気がついたことが書を書くきっかけになったようだ。それは、戦争が、戦車や大砲を用いる物理的なものと、民間人までをも巻き込みソーシャルメディアを駆使したナラティブなものの2つに分かれているという事態

    21世紀の戦争はなぜ、どのように変わったのか──『140字の戦争 SNSが戦場を変えた』 - 基本読書
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    k-yakou 2019/06/10
    “戦争という極端な事象を通すことで、「なぜある種のSNSが危険なのか」というその具体的な「理由」が、よりよく見えてきたように思う”
  • 読者に見事な魔法をかけてくれる、マジック&ロボットSF──『魔法を召し上がれ』 - 基本読書

    魔法を召し上がれ 作者: 瀬名秀明出版社/メーカー: 講談社発売日: 2019/05/16メディア: 単行この商品を含むブログを見る瀬名秀明さんによるマジック&ロボットな近未来SF小説である。僕は装丁が気に入ったのとけっこうなボリュームがあったのでそのへんの期待感から手にとったのだけれども、たいへんに素晴らしい傑作。冒頭、レストラン《ハーパーズ》で料理が出る前のお客にマジックを披露しているマジシャンの青年ヒカルが、最初の大失態をしでかすまでのシークエンスは特に素晴らしく、この世界に集中力を根こそぎ持っていかれてしまい、降りるはずだった駅を過ぎてしまったぐらいだ。 優れたマジシャンは観客の注意を引きつけ、自在にコントロールすることで驚きを演出するが、書を読んでいる時の感覚はまさにそれである。小説を読んでいて降りる駅で降りられない経験なんて僕はほとんどしたことがない(2,3回ぐらいだと思う

    読者に見事な魔法をかけてくれる、マジック&ロボットSF──『魔法を召し上がれ』 - 基本読書
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    k-yakou 2019/05/31
    “世界の至るとところに魔法が溢れていると実感させてくれる一冊だ。ブラボー!”
  • 機忍兵零牙 - 基本読書

    いやーもうこれ、個人的には大好き。好きすぎる。機龍警察 - 基読書の著者による、別シリーズ。あらすじは以下の通り 凡そこの世に非ず、別の世界より来たる者を忍びと云う——数多の次元世界を制する支配者集団<無限王朝>と戦い続ける、伝説の忍び<光牙>。その一人、零牙に与えられた任務は亡国の姫と幼君の護衛であった。亡命の旅路を急ぐ一行の行手に、無限王朝きかの骸魔忍群が立ち塞がる。激突する機忍法、その幻惑の奥儀の数々よ。生き残るは果たして光牙か骸魔か。絢爛たるゴシック世界、生と死の無明の狭間に展開する死闘の粋!(太字:冬木) うおおおおおおお!! 数多の次元世界を制する支配者集団無限王朝!!!?!?とか伝説の忍び<光牙>!?!?!?!?!とかマジ……マジ……かっこよすぎて───もう────もう!!!!! 濡れるッ!!(若干取り乱しております しかもねーーーーそれだけじゃないんですよーーーーー。謎の

    機忍兵零牙 - 基本読書
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    k-yakou 2019/05/29
    “まさに山田風太朗の甲賀忍法帖の世界!!!”
  • 文体、プロット、トピック、全てを解析する──『ベストセラーコード 「売れる文章」を見きわめる驚異のアルゴリズム』 - 基本読書

    ベストセラーコード 「売れる文章」を見きわめる驚異のアルゴリズム 作者: ジョディ・アーチャー,マシュー・ジョッカーズ,西内啓,川添節子出版社/メーカー: 日経BP社発売日: 2017/03/23メディア: 単行この商品を含むブログを見る書は「ベストセラー小説に普遍的な法則は存在するのか?」という問いかけを、独自の判定モデルをつくりあげ検証した著者らによる一冊である。小説がヒットするかどうかは時の運という人も多いし、実際運が関与しない事象などこの世に存在しない以上それは正しい部分はある。そうなってくると次に出てくる問いかけは、運の割合はいったいどの程度のものか? というものだ。書はそれを解析してみせる。 手法のひとつを簡単に説明すれば、まず小説の特徴を抽出するアルゴリズムを用いて評価したいの各特徴を分類/定量化する。その後、ベストセラーと非ベストセラーを大量に読み込ませ、機械学習

    文体、プロット、トピック、全てを解析する──『ベストセラーコード 「売れる文章」を見きわめる驚異のアルゴリズム』 - 基本読書
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    k-yakou 2019/05/24
    “トピック、プロット、文体”
  • それぞれ異なる味で楽しませてくれる、傑作巨大人型ロボットSF三部作がついに完結!──『巨神覚醒』 - 基本読書

    巨神降臨 上 (創元SF文庫) 作者: シルヴァン・ヌーヴェル,佐田千織出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2019/05/21メディア: 文庫この商品を含むブログを見るシルヴァン・ヌーヴェルのデビュー作『巨神計画』から始まる巨大人型ロボットSF三部作が、この『巨神降臨』でついに完結! いやーこれは当におもしろかった。一部、二部、三部とまったく異なる「巨大人型ロボット物」の方向性が展開し、エヴァ好きもイデオン好きもグレンダイザー好きもSF好きも全方向的に満足させてくれる、まさに傑作にふさわしい巨大人型(とはちょっと違うが)ロボットSFなのだ。 三部作全体の見取り図をざっと紹介する 巨神計画 文庫 (上)(下)セット メディア: セット買いこの商品を含むブログを見る未読者向けに全体の見取り図を紹介しよう。第一部『巨神計画』は、アメリカで発見された全長約6.9メートルにも及ぶ巨大な「手」

    それぞれ異なる味で楽しませてくれる、傑作巨大人型ロボットSF三部作がついに完結!──『巨神覚醒』 - 基本読書
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    k-yakou 2019/05/23
    “抽象的に紹介すれば、異星人を巻き込んだ親子喧嘩が世界の命運に直結していくという点でエヴァンゲリオン的”
  • エネルギーという唯一無二の普遍通貨から見た人類史──『エネルギーの人類史』 - 基本読書

    エネルギーの人類史 上 作者: バーツラフ・シュミル,塩原通緒出版社/メーカー: 青土社発売日: 2019/03/25メディア: 単行(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る人間の営みはいかにして多くのエネルギーを得るか、また存在しているエネルギーをいかに効率よく変換するか、といったエネルギー収支に支配されてきた。そもそも文明だなんだと偉そうな事を言うまえに人間が生きることには絶対的にエネルギーが必要で、そのためには糧を体内に取り込まなければいけず、その糧は遥か遠くに存在する太陽からもたらされるエネルギーによって存在しているわけで、この宇宙全体を巻き込んだ巨大な流れのド真ん中に「エネルギー」が存在しているのである。 社会が進化するにしたがって、人間の数は増え、社会の仕組みや生産の仕組みはより複雑になり、より多くの人がより質の高い暮らしを送れるようになっていった。基的な生物物理学の

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    k-yakou 2019/05/14
  • 村上春樹☓柴田元幸対談集──『本当の翻訳の話をしよう』 - 基本読書

    当の翻訳の話をしよう 作者: 村上春樹,柴田元幸出版社/メーカー: スイッチパブリッシング発売日: 2019/05/09メディア: 単行この商品を含むブログを見る「当の翻訳の話をしよう」とはいうものの誰も知らない翻訳の真実がここに! ということは全然なく(当たり前だ)単なるフレーバー・タイトル*1であり、実態は村上春樹と柴田元幸が対談しているだけである。とはいえ、僕はもともと柴田村上両名のファンであるし、柴田さんの『翻訳教室』的な翻訳教授あり、ほぼ『翻訳夜話』でありと、たいへんに満足な一冊である。対談の他に、柴田さんが独演で行った講義である日翻訳史・明治篇も入っている。寄せ集め的といえば寄せ集め的である。 基的には柴田元幸さんが責任編集を務める雑誌『MONKEY』に載った二対談と、絶版になった古典を新訳・復刊する企画である村上柴田翻訳堂に載った対談が集められており、この作家はどう

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    k-yakou 2019/05/12
  • (読書)日記のおもしろさについて - 基本読書

    最近note読書日記的なものを書いている。 note.mu なぜ突然日記を書き始めたのかといえば、フリースタイル的な文章に憧れがあり、これまで何度も書いてきた(何度もやめた)延長と、noteで書き心地を試してみたかったから、という状況が噛み合ったにすぎない。なのでこの日記もいずれ止まるとは思うがとりあえず今はぬるぬると続いている。で、そもそもなぜ憧れがあるのかといえば、ひとつは森博嗣さんの日記が十年以上好きだからというのがあり、もうひとつは「書評」的なスタイルから離れた形で書いてみたいという願望があるからだ。 すべてがEになる I Say Essay Everyday 作者: 森博嗣出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2014/12/12メディア: Kindle版この商品を含むブログを見る「書評」は一冊ないし複数冊のについて書き、記事なり書評原稿なりには必ずそのの書名が入る。なので、

    (読書)日記のおもしろさについて - 基本読書
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    k-yakou 2019/05/10
  • 偶然によって彩られた混沌(幻想/SF/刑事/ロード/能力者バトル/登山……etc)小説──『偶然の聖地』 - 基本読書

    偶然の聖地 作者: 宮内悠介出版社/メーカー: 講談社発売日: 2019/04/25メディア: 単行この商品を含むブログを見る宮内悠介さんが雑誌『IN POCKET』にて数年に渡って連載していた長篇小説である。怜威という令和の時代にふさわしい名前の人物が、遠い血縁関係にあるニルファムという女性とコンタクトをとるため、イシュクトなる地図にも載っていないし座標もわからないし眉唾な伝説ばかりが残る謎の山へと向かうことになる──という開幕の一種のロードノベルであるともいえるが、その実態は、旅に私小説的な面とSFとメタ・フィクションが合わさった、「偶然の小説」とでもいうようなものである。 いくつか変なところがある いくつか変なところのある小説だが、ぱっと読み始めて変なのは大量に挟まれる小説への注である。一般的にあまりnot翻訳小説に注はつかないし、通常読んでいてはわからないものに補足説明がついてい

    偶然によって彩られた混沌(幻想/SF/刑事/ロード/能力者バトル/登山……etc)小説──『偶然の聖地』 - 基本読書
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    k-yakou 2019/05/04