小型ロケット「イプシロン」2号機の打ち上げが成功した20日夜、発射場の内之浦宇宙空間観測所(鹿児島県肝付町)では宇宙航空研究開発機構(JAXA)の関係者らが会見し、喜びと安堵の表情を見せた。 イプシロンを統括する森田泰弘教授は「とても美しいフライトで、軌道ど真ん中だった。見事に衛星にたすきを渡した」と満足そうに語った。 前日には天候の悪化が予想され、打ち上げ延期を懸念したというが、打ち上げ時間帯は満天の星空だった。森田氏は「念力で天気を良くしようと皆で言った。その思いが通じたと思った瞬間、今日は絶対うまくいくという根拠のない確信ができた」と明かした。 旅立つ機体を見つめた感想を、森田氏は「初めて少し涙がにじんだ。(初号機の)前回は僕の人生で一番きれいな打ち上げだったが、今日はそれを通り越して美しかった」と感慨深げに語った。