7月28 蔭山宏『カール・シュミット』(中公新書) 7点 カテゴリ:思想・心理 帯に「稀代の思想家か/ナチのイデオローグか」とあるように未だに毀誉褒貶の激しいカール・シュミットの思想に迫った本です。中公新書では1月前に同じドイツの思想家であるマックス・ヴェーバーについての本(野口雅弘『マックス・ヴェーバー』)が出ていますが、そのスタイルは対称的で、『マックス・ヴェーバー』が彼の生きた時代や後世への影響といった「文脈」を重点的に描き、同時にヴェーバーの評伝としても読めるものだったのに対して、本書は評伝的な要素は薄く、また、いきなりテクストに入っていくようなスタイルになってます。 そのため、予備知識のない人には少しわかりにくい面もあるかもしれませんが、シュミットの思想が批判的に検討されており、過去にシュミットの本を読んだことのある人にとっては、その疑問に答えるようになっていると思います。 目次