読んだのは結構前なんですが、やっと時間ができたので、ここで今の感想を備忘録的に書いておきます。 中国共産党の歴史 作者:高橋 伸夫 慶應義塾大学出版会 Amazon 中国共産党の百年ということで、最近、多くの中国共産党に関する著作がでているが、前回に紹介した石川禎浩さんの本と並んで、共産党の設立から現在に至るまでを描いた重要な著作となるのが本書であるだろう。 本書は、冒頭に、如何にして共産党の百年を描くのは難しいのかをまず描いている。 それは単に百年という歴史の長さだけでなく、本家本元の中国においては政治と不可分である上に、ほとんど極限まで細分化され、あらゆる時期、あらゆる人物、あらゆる事件についてそれぞれ山のように多くの専門家が控えている。そのため、中国において共産党の誕生から現在までを一人で論じようとする学者はいないだろう、と言っているのはおそらく正しいだろう。 実際、今のところ、一人