台湾有事の可能性が取り沙汰されるなか、沖縄では自衛隊の増強などが続く。台湾の自主性や民主主義と沖縄の基地負担軽減をどう両立すべきか。沖縄と台湾の共通点はなにか。基地問題などの著書が多い野添文彬・沖縄国際大准教授と若手の在日台湾人ジャーナリスト、劉彦甫さんが議論した。【構成・鈴木英生】 苦難の歴史、相互理解を 野添文彬・沖縄国際大准教授 日本に道義的責任ある 劉彦甫・台湾人ジャーナリスト ――沖縄で台湾海峡問題はどう受け止められていますか? 野添 世論調査結果では、8割方が有事に巻き込まれる不安を抱いています。沖縄は台湾と近いうえに全国の米軍専用施設の約7割が集中し、自衛隊も増強されています。「沖縄も中国軍の標的になる」と恐れるのは当然です。