ウクライナに展開するロシア軍が攻勢をかけている。目標は、東部ドネツク州アウジーイウカをついに掌握することだ。同市は、東部ドンバス地方の親ロシア派が樹立を宣言した「共和国」の一つが「首都」を置くドネツク市のすぐ北西に位置している。 ロシア軍は昨年、アウジーイウカからウクライナ軍の守備隊を追い出そうと数カ月を費やしたが、失敗に終わった。4カ月に及ぶウクライナ軍の反転攻勢が小康状態にあるいま、ロシア軍は再びアウジーイウカを占領しようとしている。 ロシア軍にとって戦況は芳しくない。防御を固めているウクライナ軍への直接攻撃を行うロシア軍は、ウクライナ軍が反攻開始後の数週間で身をもって学んだことと同じ教訓を得ている。 敵の大砲が視野に入り、ドローンがあちこち飛んでいる状況では、敵の要塞を攻撃するのは難しく、犠牲も伴う。攻撃は失敗する確率が高く、撤退する連隊と保持している陣地は攻撃前よりも弱体化する。